【ショパン】音大生の練習曲Op.10-1解説(弾き方 練習方法)

ショパン
この記事は約5分で読めます。

にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ
にほんブログ村

どうも、 ピアノ部部長、音大生のこうきです。本日の楽曲はショパン作曲の練習曲Op.10-1です。

目次

リストの伝説~倍音列の献呈~

この指の運び方はすごい、真似すると前腕が痛くなりそうなのでやめてくださいね

この練習曲Op.10は、ショパン自身のピアノ協奏曲第1番Op.11を弾くために作られた練習曲です。つまり、練習曲Op.10が全部弾ければショパンの協奏曲は怖くないのです、多分。

また、この練習曲Op.10はリストに献呈されました。当時から名演奏家として名を馳せていたリストは、なんでも初見で弾きこなしてしまうもはやマジシャンでした。当然のごとくショパンからこの曲を受け取ったリストはすぐに弾きだしますが、なんとリストでもこの作品を初見で演奏することが出来なかったのです。

あまりの悔しさにショパンに向かって「あと1週間くれ!1週間でなんとか仕上げるから!と言ったそうですが、本当に1週間で全曲仕上げてしまったそうです。

さて、練習曲Op.10-1の冒頭の譜面がこちらです。

https://en.wikipedia.org/wiki/%C3%89tude_Op._10,_No._1_(Chopin) より引用

実は、この10-1の冒頭は最初のドの音を基準とする倍音列でできているのです。倍音列とは、和音を構成するために使われた原理で、音色を決定する重要な要素でもあります。和声の使者であるショパンから倍音列を受け取ったリストの心中はいかほどのものだったのでしょうか?

手が小さくても弾ける練習曲である

アシュケナージってオクターヴしか届かないらしいっすよ

広範囲のアルペジオの練習曲「Op.10-1」ですが、手の大きい人にしか弾けない作品なのでしょうか?それは違います。手首の使い方、そして支えの強さによっては手の小さい方でも演奏可能です。

よく考えてみてください、そもそも最初のドソドミを一気に掴む必要はないのです。2つの音程、つまりドとソ、ソとド、ドとミがつながればしっかりとしたレガートで演奏することが出来るのです。時にはファとドを2.4の指で取らないと弾けない場合がありますが、本当に難しいのはその箇所くらいなのです。そもそもショパン自身も手があまり大きくなかったので、手の小さい人でも練習曲は演奏可能です。

白鍵ばかりだから難しい

パデレフスキ編 ショパン全集 II エチュード [ F. F. ショパン ]

価格:2,808円
(2019/7/24 00:27時点)
感想(1件)

世紀の大ピアニスト、アルトゥール・ルービンシュタインは、最も難しい作品とは何か、という問いに「ハ長調の曲」と答えたそうです。ずばりこの10-1ですね。

白鍵は平面にあり、また黒鍵で位置を把握することが一切できないので難しいのです。実際このエチュードを弾いてみると、黒鍵が多い中間部の方が弾きやすいことにすぐ気が付きます。

ルービンシュタインでさえ難しいといったハ長調の曲、弾けたらかっこいいですね!

広範囲のアルペジオは支えが大事

広範囲のアルペジオの練習曲Op.10-1では支えが大変重要となります。この支えがなければ手も開かず、またヘナヘナな練習曲となってしまいます。「ペガサス」とも呼ばれるこの練習曲らしい演奏を目指しましょう。

支えとは曖昧な概念ですが、私は鍵盤の底をつかむ力だと思っています。鍵盤の底をつかむ感覚が強ければ強いほど、ピアノの演奏は楽になると思います。これはただ力を入れるという感覚ではないのでご注意を!

また、よく「弾く前に指がその鍵盤の上に間違えようがない」という人がいますが、これは脱力に大きな問題が出てしまいます。弾いている間にそんなことをしてしまうとかえって力が入ってしまい、脱力が困難になります。ショパンの練習曲は脱力しないと弾ききることが出来ません。指の準備をやめると、準備するよりも快適に指が運べます。

練習曲でも左手の雄大な旋律を忘れないように

右手の練習曲で、右手が大変なのはよくわかります。しかし、ショパンは右手だけに音楽を求めたわけではありません。この練習曲を進めるのは左手の大きな旋律なのです。

意外と見落としがちなこの旋律、右手がいっぱいいっぱいだとお粗末な歌い方になってしまいます。そもそも歌う暇すらない…左手の上に右手の軽やかなアルペジオが乗ります。左手の方が音楽的には重要で、細かい音符はさほど音楽に重要さ影響を与えないのです。

まとめ

 

楽譜 ショパン/12のエチュード Op.10(アルフレッド・コルトー版)

価格:2,916円
(2019/7/24 00:28時点)
感想(1件)

ショパンエチュードOp.10-1は確かに大変ですが、弾いてみると案外冒頭が難しいだけなのかもしれません。それは、白鍵ばかりだからです。それはルービンシュタインでさえ言っているので、お墨付きの難しさです。しかし弾けたらかっこいいですよね、僕も明日練習しようと思います。

合わせて読みたい

コメント

タイトルとURLをコピーしました