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どうも、ピアノ部部長、音大生のこうきです。今回は「フーガ」を取り上げようと思うのですが、こいつはなかなか厄介ですね…私の本番で弾きたくない曲第1位はフーガです。だって暗譜できないし、4声部を別々に聞き取る力もないし…
自分の勉強も含め、解説していこうと思います。

目次
フーガって何?
フーガは対位法の一種!
フーガとは「対位法」と呼ばれる、旋律の動き方に規則を設けた作曲法による楽曲です。日本語では「遁走曲(とんそうきょく)」と呼びます。
フーガは対位法の極致に達した形式です。さまざまな作曲家がフーガを残しています。あのショパンでさえ、フーガを書いていますし、リストもフーガを書いています(まぁオルガン曲の作曲家でもあったからね)。
(ショパンはバッハを非常に尊敬していたので、演奏会前は平均律クラヴィーア曲集をひたすら弾いていたそうです。たしかにショパンのテクニックは平均律クラヴィーア曲集から引用されているとも言えますね)
主唱と応唱、自由唱がある!
対位法なんてわっかんねぇよ…
と思われるかもしれませんが、バロック時代に確立した形式なので、割とシンプルに書かれています。ルールが簡単そうな十二音技法の方が、展開が凄まじいので難しいです。
それではフーガにおける重要な3つの声部、主唱、応唱、自由唱について簡単に説明していきたいと思います。
主唱
主唱とは、フーガの肝となるいわば「主題」のようなものです。フーガは声楽スタイルで書かれるので、主「唱」と呼びます。
応唱
応唱とは、主唱と対になる部分で、「副主題」のようなものです。主唱に隠されてあまり目立ちませんが、フーガでは必要な部分です。
自由唱
自由唱とは、主唱でも応唱でもない、声部の埋め合わせのために作られた部分です。主唱と応唱の要素を合わせたり、和声を整えたりする部分です。
フーガの演奏法とは?
主唱は出すべき?重ねていくべき?
フーガの演奏で分かれるのは、主唱をはっきり明示するか、しないかの点です。主唱はフーガの中で何十回も出てきます。上から来たなら下から行き、なんなら逆からだって行きます。そんな主唱を毎回はっきり明示するべきか、演奏者は頭を抱えるのです。
あるピアニストは
「自由唱を作るのは大変だから自由唱を作り込むべきだ。作ってみないとわからない」
と言っていましたが、全くそれは違うと思います。
自由唱は主唱があって初めて成り立つのです。
作ると分かりますが、主唱の作り方が甘いと応唱も甘くなり、自由唱で完全に詰みます。フーガは制約やスタイルの点でできることが限られるので、作るのが大変難しいのです。
だからといって主唱を毎回はっきり出すと、それっきりな気がするのも確かです。主唱を愛しすぎても自由唱や応唱に嫉妬されてしまいますから。
うーん、考えなくてはならない課題でしょう、、、
(最近の演奏傾向は新しい声部をどんどん重ねていく手法、つまり毎回主唱を歌いすぎないスタイルが取られていますが、コンクールなどではフーガの理解を示すために主唱を少しでも主張することが必要になります。まぁ国際コンクールレベルの審査員なら話は別だけど)
主唱に特徴を付けよう!
主唱を出す出さないは置いておいて、主唱に特徴をつけなくてはならないのは絶対でしょう。主唱を自由唱と同じアーティキュレーションで弾いてしまっては区別がつきませんし、フーガ全体の緊張感もなくなってしまいます。
バッハのような天才であれば、すぐにアーティキュレーションや特徴づけが出来るので、問題ありません。
特徴をつかみ、そしてその特徴を毎回の主唱の提示で表現しましょう。
フーガの練習法とは?
全ての声部が聞こえるように!
フーガはとても難しいです。(だからこのブログ読んでくれてるんでしょーが)
まず、フーガは4声(ここでは4声と仮定)が全て独立して聞こえなくてはなりません。つまり、1つ1つの声部を聞いて聴音できるくらいでなくてはいけません(これは音大生でもできないし、ほとんどの人ができない!)
この領域に達するのは非常に難しいのですが、きちんと耳を訓練すればたどり着くことができます!
弦楽四重奏曲を聴音するすることが勉強になるでしょう。別に楽譜に書かなくてもいいので、4つの旋律が存在していることを感じましょう。
このような図式化された動画は、耳の補助になるのでぜひ活用してください。
上声部は右耳、下声部は左耳で!
まず、耳栓を購入しましょう。ドラッグストアにある柔らかいあのグニュグニュしたもので良いです。まず左耳にはめましょう。そして、右耳で上声部を聞く訓練をしましょう。
幸い、人間には耳が2つ付いています。1つの耳で2声を聞き分けることは、何となくできると思います。
上声部が聴けるようになったらつぎは逆です。
このように、耳を物質的に意識して、「聞く」という行為により一層フォーカスしていきます。
耳を塞がずに4声独立して聞こえれば、合格です。
まとめ
- フーガには主唱、応唱、自由唱がある
- 主唱を出すか出さないかは自由
- 耳を徹底的に鍛えよ
以上、フーガについてでした!
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