【ベートーヴェン】音大生が選ぶ「ベートーヴェンのオススメ10曲」

ベートーヴェン
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どうも、音大生のこうきです。今回はベートーヴェンの作品の中から弾きやすい作品を10曲選びました。どうぞご覧下さい。

宇野昌磨選手が演技した「月光」も、もちろん入っていますよ。

目次

エリーゼのために

ベートーヴェンの代名詞「エリーゼのために」はピアノ初級者の憧れの作品です。「エリーゼ」とありますが、これは「テレーゼ」を読み間違えた可能性があるそうです(ピアノソナタ第24番の副題は「テレーゼ」)

8分の3拍子ですが、1小節を1拍と捉えて大きな4拍子を感じましょう。3拍子で感じると、どうしても重くなりがちです。

難しいところはヘ長調へ転調したところの32分音符です。冒頭のテンポを速くしすぎるとここで撃沈してしまいます。この32分音符が弾ける速さで始めましょう。

あとはイ短調のアルペジオが後半に出現します。そのあとすぐに半音階下行型が出てくるのでかなり厄介な箇所です。

イ短調のアルペジオを毎日練習して乗り越えましょう。また半音階の練習も毎日取り入れ、音階とアルペジオの練習を習慣づけましょう。

ト調のメヌエット

「ト調」だとト長調かト短調か分かりませんが、正解はト長調です。ト短調のところは出てきません(ならト長調のメヌエットにしろよな)。

こちらも「エリーゼのために」のような知名度を持ち、誰でも知っている作品です。バレエの発表会などでも用いられることが多い作品です。

「メヌエット」というのはヨーロッパの舞曲の名前で、たくさんのメヌエットがあります。3拍子で、2小節を1まとまりとした音楽が特徴的です。

ほかにもメヌエットはラヴェルの「古風なメヌエット」やバッハのパルティータ第1番変ロ長調BMW825より「メヌエット」が有名です。

バッハの「メヌエット」も有名ですが、実はこの作品はバッハのものではないと分かりました。この曲の作曲者は「ペツォルト」というバッハと同じ時代に活躍した人だと分かりました。

それにしても、メヌエットはト長調が多い。

さらばピアノよ

全音ピアノピースでなんとなく見たことがある曲名の「さらばピアノよ」。別れを連想させるこの作品はとても繊細で優美な作品です。

特に和声が優れ、人の感情に直接語りかけます。中間部では近親調のへ短調に転調し、別れたくない感情を表しているようです。

音が少ないので簡単に見えますが、意外と暗譜が怪しくなります。小さい子には少し難しいようです(小さいのにさらばピアノよって曲もねぇ)。

うつろな心より「6つの変奏曲」

この作品の原曲はジョヴァンニ・パイジェッロ作曲のNel col piú non mi sento.(ネル・コール・ピウ・ノン・ミ・セント)「もはや私の心には何も感じない」という歌曲です。

この歌曲をベートーヴェンが変奏曲にしたのが「6つの変奏曲」です。

テーマは原曲に忠実となっていますが、第1変奏からはしっかり飾られ、豪華な変奏となっています。第4変奏ではト短調となり、悲劇的な変奏となっています。

第5変奏はleggieroで軽い感じとなっていますが、テンポが速くとても大変な変奏です。最後の第6変奏は非常に和声的で、最後にふさわしい変奏となっています。しかし、途中で9度が出てくるので、そこが大変となっています。

ピアノソナタ第20番Op.49-2

ソナチネアルバム第1巻にも収録されているこの作品は、ピアノ弾く人であれば誰でも知っている有名な作品です。作品番号は49となっていますが、本当はもっと初期に作曲された作品です。

第1楽章も良いのですが、第2楽章のメヌエットもとても良い作品となっています。

第1楽章は3連符がメインとなったAllegro(快活)な作品です。指がよく回る子ならそんなに大変では無いですが、指が回りづらい子はとても大変な曲でしょう。

第2楽章も陽気なメヌエットです。実は、先程の「さらばピアノよ」のヘ短調の部分の伴奏形がこの作品に使われています。ベートーベンの他の作品にも使われていそうですね。

この作品でよくあるのは第1楽章の大迷走です。その他の構成上、再現部で間違えてしまい提示部の1番最初に戻ってしまうことが往々にしてあります。

この作品を知らない人であればとても長いかっこいい曲だと思うかもしれませんが、ピアノの先生は冷や汗をかくことでしょう。

ピアノソナタ第8番Op.13「悲愴」

悲愴ソナタもピアノ発表会ではよく惹かれる作品です。特に第二楽章は演奏頻度が高く、またピアノを知らない人でもよく知っている作品でしょう。

弾くのであれば第2.3楽章、もしくは第一楽章のみとなるでしょう。私のオススメは第2.3楽章を弾くことです。やはり第1楽章の知名度は第2楽章より劣ってしまうので、第2楽章を演奏するのが良いでしょう。

また第1楽章はめちゃくちゃ難しいです。しかし第3楽章も聞こえる割にはとても難しい作品なのでがんばって弾いてくださいね。

アテネの廃墟より「トルコ行進曲」

ベートーベンのトルコ行進曲が全音ピアノピースでは難易度Dに分類されているのを、不思議に思った方も多いことかと思います。

皆さんの知っているベートーヴェンだから行進曲はハ長調のあれでしょう。しかし、ベートーヴェンが本当に描いた作品は変ロ長調のもっと難しいバージョンなのです。

もちろん小さい子であればハ長調の簡単なバージョンの弾くことをお勧めします。しかし、ピアノがある程度弾ける人が遍路町長のトルコ行進曲に挑戦すると、とてもカッコいいと思います。

ピアノソナタ第14番Op.27-2「月光」

宇野昌磨選手が演技したことでも知られる「月光」。第1楽章も第3楽章もピアノの発表会ではよく弾かれています。

第1楽章は簡単そうに見えますが、意外と暗譜が危ない作品です。以前、とある病院コンサートに芸大卒のピアニストが来たのですが、この第1楽章でアンプが飛んでしまい、超短縮バージョンで終わりました。

こんなのが弾けないと第3楽章は難しい

第3楽章は誰が聞いても難しい作品なので、発表会ではよく映えます。死ぬほど難しいわけではないので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

下記の記事では上記のナポリの和音について解説しています。

失われた小銭への怒り「ロンド・エ・カプリッチョ(奇想曲的なハンガリー風のロンド)

題名が長ったらしいこの作品。脳筋なところもありますが、とてもコミカルで楽しい作品となっています。

バロック時代の鍵盤作品のような書法で、めちゃくちゃ難しい作品です。例にJ.P.ラモーの、クラヴサン組曲第1集ニ長調より「ソローニュのひな鳥(Niais des sologne)」という作品を挙げておきます(検索するときはフランス語の方が出てきます)。

この作品はめちゃくちゃ速く人が多いのですが、そんなに速く弾かなくても発表会では映える作品なので、頑張って弾いてみてくださいね。

ピアノソナタ第23番Op.57「熱情」

全音ピアノピースで難易度Fに指定されているこの作品の難易度は、本当はZくらいでしょう。死ぬほど難しい作品となっています。

弾くとしたら第1楽章か第3楽章、第2楽章はめちゃくちゃ大変なのに舞台ではあまり映えません。

第1楽章か第3楽章かはその人のセンスによるのですが、第3楽章の方が難しいようなイメージです。とにかく難しい作品なので、時間のある人や、よく弾ける人、また最後の発表会などに弾くと、思い出の曲となるでしょう。

番外編

交響曲第9番より第4楽章(リスト編)

この曲は誰も弾けないです。参考程度に。かっこいいけど。

まとめ

ベートーヴェンのオススメの作品はこちら。宇野昌磨選手が使った「月光」が、今の1番のオススメではないでしょうか?

  1. エリーゼのために
  2. ト調のメヌエット
  3. さらばピアノよ
  4. うつろな心より「6つの変奏曲」
  5. ピアノソナタ第20番Op.49-2
  6. ピアノソナタ第8番Op.13「悲愴」
  7. アテネの廃墟より「トルコ行進曲」
  8. ピアノソナタ第14番Op.27-2「月光」
  9. 失われた小銭への怒り「ロンド・エ・カプリッチョ(奇想曲的なハンガリー風のロンド)
  10. ピアノソナタ第23番Op.57「熱情」
  11. 番外編:交響曲第9番より第4楽章(リスト編)

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