【ショパン】ショパン作曲「スケルツォ第2番Op.31」の解説と演奏法

【ショパン】ショパン作曲「スケルツォ第2番Op.31」の解説と演奏法 ショパン
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どうも、ピアノ部部長、音大生のこうきです。今回はショパン作曲の「スケルツォ第2番Op.31」を解説していこうと思います。

ショパンの大作として初めて演奏する作品としても人気なスケルツォ第2番ですが、ショパンの中では弾きやすい部類に入る作品です。もちろん大変なところもありますが、必ず乗り越えられるように作られています。

ショパンの大作、入門編としてこの作品を演奏してみてはいかがでしょうか?

ショパンの4つのスケルツォの解説はこちら

目次

ショパン作曲「スケルツォ第2番Op.31」の概要

ショパンのスケルツォで1番有名

ショパンのスケルツォの中で1番有名なのはこの第2番でしょう。私の淡い記憶では、辻井伸行さんの音源がアルフォートのCMで使われていたと思います。

スケルツォ(諧謔的に、おどけて)をまさに表現している第2番は、クラシックを聞かない方々にも刺さる作品なのでしょうね。確かに、最初の怪しい雰囲気から一気に長調で開かれる箇所は、もはや快感。

「スケルツォ」の名にぴったりな音楽

先ほども書きましたが、スケルツォとは「諧謔的に」や「おどけて」を意味しています。ショパンの場合はわざと届かないような音を書いたり、音楽が途端に入れ替わったり、落ち着かない雰囲気です。

「スケルツォ」と書いていてもワルツともパラフレーズとも書けそうな作品が多い中、ショパンのスケルツォは、まさに「スケルツォ」と言えるでしょう。

ところてん、はんぺん、めんちかつ

冒頭のリズムの通り

ところてん ところてん
はんぺん めんちかつ

と唱えてみてください。貴方はもうこの作品を聞くときはこのようにしか聞こえないでしょうね。

ショパン作曲「スケルツォ第2番Op.31」の演奏集

ドミトリー・シシキンのスケルツォ

今年のチャイコフスキー国際コンクールで藤田真央さんと同位、2位のドミトリー・シシキンの演奏。

チョ・ソンジンのスケルツォ

前回のショパン国際コンクールの覇者、チョ・ソンジンの演奏。

エフゲニー・キーシンのスケルツォ

アンコールで弾いちゃうキーシン様。

マルタ・アルゲリッチのスケルツォ

アルゲリッチがショパン国際コンクールで優勝した直後の映像か。

ショパン作曲「スケルツォ第2番Op.31」の弾き方

4小節が1まとまり、4拍子で捉える

スケルツォ第2番Op.31は3/4拍子で書かれていますが、4拍子で捉えるようにしましょう。これは楽典における「楽節」の話をしなくてはならないのですが、やりましょうか…。

楽節というのは1つの音楽のまとまりで、大抵の楽曲は4小節か8小節で構成されています。なぜ4小節や8小節かというと、それが普通だからです。4拍子は人間の根底にある拍子なのでしょうか、3小節や6小節では異質な感じがするのです。

プロコフィエフのピアノソナタ第7番「戦争」Op.83でも楽節は4小節なのですよ(3楽章になると3小節の楽節を突然入れることによって一種の暴力感を生み出しているけど)。

プロコフィエフの記事はこちら

広い分散和音は非常にレガートに

スケルツォ第2番の第2主題とも言えましょうか、変ニ長調の主題がありますよね。その部分の左手は、音域がとても広く、弾きにくいです。

ここはショパンのピアニズムが役に立ちます。ショパンは、手を限界まで広げて全ての和音を同時に掴むことは要求していません。5.3の指でレ♭とラ♭をレガートで繋げれば良いのです。

5.3の指でラ♭と1oct上のラ♭は掴めねぇだろ!

という声が聞こえました。そりゃ無理ですね。しかし、滑らかな腕の動きで、音こそ切れますがレガートにつなげることはできるのです。ペダルもありますし。

このように絶対に届かないような音を無理に繋げようとすると、力が入ったり関節を痛めたります。繋げられない音は潔く切り、しかし滑らかな動きによってレガートに繋がるようにしましょう。

やぶにらみ?スケルツォ第2番の難所攻略法

スケルツォ第2番の1番の難所は、2回目の第1主題(とのろてんのところ)の直前の大跳躍部分でしょう。この部分は手を鍵盤の両端に向けて跳躍しないといけないので、とても難しい場面でしょう。

残念なことに、人間の目は外側には向きません。僕はこのような手が鍵盤の両端に跳躍するときはいつも

中の人
中の人

目が外側にグィーって開けば良いのに。

と思っています。無理ですね、はい。

この場面は左手が肝になります。左手の1指と5指の交代をスムーズにすることにより、一瞬見るだけで位置が把握できるようになります。右手はランダムに鍵盤を弾かなくてはならないので、凝視するしかありませんね。

まとめ

ショパン作曲のスケルツォ第2番Op.31はショパンの大曲入門編として優れた作品でしょう。3拍子ですが、大きい4拍子で「スケルツォ」を感じながら演奏しましょう。

それにしても人間の目はなぜ両側に開かないのでしょうか?想像するだけでちょっと嫌ですが、ピアノを弾くときだけ許して…。

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