【音楽史】バロック時代の音楽を音楽史に沿って解説していく

【音楽史】バロック時代の音楽を音楽史に沿って解説していく 音楽史
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どうも、ピアノ部部長、音大生のこうきです。さて、今回から【音楽史】に手を出そうと思います。音大では音楽史を習うことができますからね(必修ではない)。

音楽史を勉強するということは、当時の演奏慣習の変遷や、記譜法と声部書法の発展、作曲家たちの思想を知ることです。「Johann Sebastian Bachは1675年に生まれて1750年に亡くなり…」というレベルの低い話はしませんから、安心してご覧ください!

バロック時代①通奏低音とは

通奏低音とは

通奏低音という言葉は何となく聞いたことがあると思います。まぁ、低音の方で鳴っているあれです。通奏低音こそ、バロック時代を代表する様式なのです。

ピアノの先生
ピアノの先生

ちょっと待って、通奏低音は別に「低音」のみにこだわる話ではないわ。

中の人
中の人

え、そうなの!?

そう、我々が思う通奏低音とは、低音のバスラインです。しかし、それは楽譜にそう書かれているからというだけで、実際は低音以外の音も演奏されていました。

BWV1021-1 バッハ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV1021より 第1楽章

通奏低音を奏でるのはチェンバロとチェロ

そもそも、通奏低音はチェンバロ「と」チェロで演奏されます。2つの楽器を用いて通奏低音を奏でることが、当時は普通でした。チェンバロは音が伸びないですからね。(J.S.バッハの時代にこれがイレギュラーになるんだけど)

しかし、通奏低音だけをチェンバロで弾くのはあまりに普通で、チェンバロを使う意味がありません。そこで、チェンバロ奏者は曲に合わせて即興的に和音を付け足すことにしました。これが、通奏低音に数字が付いている理由です。

チェンバロ奏者にはセンスが求められます。曲に合わない和音は付けられませんからね。

ここでおさらい。通奏低音とは

  • チェンバロとチェロで奏でられる
  • チェンバロは即興的に和音を付ける

ことです。通奏低音はただのバスラインではありません!ちにみに通奏低音はイタリア語で「Basso Continuo(バッソ・コンティヌオ)」と言います。不意に「この作品のBasso Continuoの和音はセンスがいい」なんて言ったらカッコイイですよ!

バロック時代②コレッリのソナタのお話

さて、お次はコレッリのソナタのお話です。ここでいうソナタとはソナタ形式を表していないので、そこはご勘弁。しかし、現代の「協奏曲」のジャンルを作ったのはこのコレッリです。

A.コレッリ(Arcangelo Corelli)はトリオソナタと、ソロソナタとというジャンルを確立しました。

トリオソナタとは

トリオソナタとは、楽器奏者3人+通奏低音で奏される楽曲のことです。そう、トリオソナタは「トリオ」なのに4人で演奏されるのです!!(トリオソナタの通奏低音は普通チェンバロ1人)

当時、通奏低音は必須でしたが、その存在感はとても低かったのです。1番大変とも言えるパートなのですが、楽譜も低音しか書いていないし…。

G.P.テレマン / /トリオ・ソナタ ニ短調 TWV42:D4(「音楽練習帳」より) アンサンブル アミ
トリオ・ソナタなのに4人!!!

ソロソナタとは

ソロソナタとは、ソリスト1人+通奏低音で奏でられる楽曲のことです。ここでも大切なのは「Basso Continuo」ですよ!

祈り – ラ・フォリア Corelli/Suzuki 'La Folia' played by Miho Hakamata and Alan Brown

A.コレッリのソナタがなぜ重要か

さて、なんで私はA.コレッリのソナタの話をしたのでしょうか。これはソナタというジャンルを確立したのに加え「通奏低音」を確立したからです。現代でいう「バスライン」を確立したといえば分かりやすいかもしれません。

「バスライン」の美しくない音楽だったら、J.S.バッハのコラールは生まれませんでしたし、パッサカリアやシャコンヌも生まれなかったかもしれませんね。

バロック時代③J.S.バッハ「宗教曲と世俗曲」

さて、バロック時代といえばJ.S.バッハですが、J.S.バッハは実は後期バロック時代になります。それも、J.S.バッハが亡くなる1750年頃をバロック時代の終わりと考える音楽学者も多いのです。

そんなJ.S.バッハの音楽は非常に多く、分類で言えばBWV1083くらいまであります。とりあえずJ.S.バッハについては「世俗曲」と「宗教曲」に分けて考えてみましょう。

「世俗曲」とは、コンサートなどで演奏するために作られた作品です。「宗教曲」とは、キリスト教のミサで歌われるような作品のことを言います。

J.S.バッハの宗教曲

J.S.バッハは敬虔なクリスチャンでした。教会の音楽監督を務め、ミサのために毎週1曲仕上げるほどの方でした。そんな彼が残した宗教曲には「ミサ曲ロ短調BWV232」や「マタイ受難曲」など、ミサで歌われる作品が多くあります。

そもそも「コラール」はマルティン・ルターが楽譜が読めない人も賛美できるよう、歌詞と旋律をつなげたようなものなので、ある意味キリスト教のためのものなのです。

J.S.Bach Cantata No.140(Wachet auf, ruft uns die Stimme) 4.Choral バッハ カンタータ140番第4曲コラール「目覚めよと呼ぶ声あり」

J.S.バッハの世俗曲

J.S.バッハは世俗曲も残しました。そうでないと、楽譜は売れませんからね。残した世俗曲の代表的な例は「コーヒー・カンタータ」でしょう。

J.S.バッハはオペラ以外のほとんどのジャンルを作曲しました。「コーヒー・カンタータ」は音楽を学ぶ優秀な学生(コレギウム)のために作られ、一種のオペラのような形式をしています(ホールで演奏するようなものではないというか、当時はホールではなく宮廷とか貴族のいるところで演奏された)。

お話はこう。父と娘が喧嘩をします。父は、娘がコーヒーを飲んでいるのが気にくわないのです。それもそのはず、当時はコーヒーに依存性があると考えられていて(今もか)、父は娘がコーヒーに依存するのを心配していたのです。

しかし娘は「これがないと生きていけないの!」「お父様の連れてくる男と結婚?良いでしょう。このコーヒーを飲んでも良いなら!」という具合。

あの「音楽の父」とも讃えられるJ.S.バッハでも、こんなにコミカルな作品を残しているんですよ。

J S Bach "Schweigt stille, plaudert nicht" "Kaffeekantate", BWV 211 Ton Koopman
コーヒー、コーヒーって言ってるのが分かるよ

バロック時代⑤ラモーとクープランとD.スカルラッティ

一応「ピアノ部」と銘打っているからには、鍵盤楽器の話もしなくてはなりませんね、します。

バロック時代の有名な鍵盤楽器奏者であり作曲家だったのは、J.P.ラモーと、F.クープラン、D.スカルラッティでしょう。彼らはそれぞれに特徴ある作品を残しています。

J.P.ラモー

ラモーは旋律を重要視した作品を残しました。彼は和声と旋律では圧倒的に旋律が大事だと主張した人で、自身の「和声学」の中でもそう言っています。

そんな彼が残した作品はたくさんありますが、その中から当時のピアニズムが見て取れる「ソローニュのひなどり(Niais des Sologne)」をご紹介します。

この作品は変奏形式のガヴォット風の作品で、2声で書かれています。第1変奏は2拍3連が見られますが、当時の演奏慣習から2拍の後の音を、3連の最後の音に合わせます。

ピアニズムとしては非常にアクティヴで、第2変奏の左手はもはや「革命」。鍵盤を左右に動きまくるさまは、まるで和声を重要視したクープランの旋律のつまらなさを皮肉っているようです。

J.P. Rameau – "Les Niais de Sologne"

F.クープラン

F.クープランは「クラヴサン奏法」の著者で、クープラン一家は音楽一家で、ルイ・クープランも有名です。旋律の美しさより和声の美しさを重要視しました。しかし、彼の著書の中で「装飾音符による不協和音を楽しむように」とも書いていて、決して和声を第一義的にすることはしませんでした。

F.クープランの作品で押すのはクラヴサン曲集より、シテール島のカリヨンです。ここでいうカリヨンとは大きい鍵盤を拳で叩いて鐘を鳴らすという鍵盤楽器で、教会などに設置されました。両手で装飾音符を奏したり、カリヨンの音を模倣したり、とても気持ちの良い作品です。

F.クープラン「シテール島のカリヨン」ピアノ/宮野尾 史子 F.Couperin "Le Carillon de Cythere"piano/Fumiko Miyanoo

カリヨンとはこのこと。かっこいいですよね。

Westerkerk Carillon – Johann Sebastian Bach – Toccata in D minor

D.スカルラッティ

スカルラッティはイタリアの作曲家で、鍵盤楽器奏法を大きく発展させた人物です。あまりに有名なのは555のソナタ。2段鍵盤を駆使する作品を残しているので、現代のピアノでは彼の指示する指使いでは弾けません。

ここでオススメするのはあえてソナタK(カークパトリック番号).208イ長調です。この作品は旋律も和声も優れ、非常にエモーショナルな作品となっています。7の和音を使う箇所は、心が締め付けられるようです。

Scarlatti Sonata in A major K.208 – Paul Barton, piano

まとめ

中の人
中の人

いやぁ、バロックって言っても範囲は山ほどあるからまとめるの大変だったわ…。分かりやすければいいけど、個人的には分かりにくいと思ってる(おい)。何か質問があればツイッターの方までよろしくお願いしまーす!

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