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どうも、ピアノ部部長、音大生のこうきです。さて、今回はピアニストでも嫌がる超激難曲を9曲集めてみました。えぇと、今回は明らかにやばい曲(アルカン、シフラ、アムラン)とかはとりあえず抜いて、演奏頻度はそこそこあるけど実は超難しい曲を集めました。
(まぁ、難しいのはソロとは限らないんだけど)
ちなみに難しい作品はブーレーズとかシュトックハウゼンとか、J.S.バッハの「ゴールドベルク変奏曲BWV.988」なんかもう死ぬほど難しいのですが、あくまで今回は「音大生が弾きそうな曲」で選んでみました。異論は認めます。

目次
メシアン:幼子イエスに注ぐ20の眼差しより第10番「喜びの聖霊の眼差し」
最初っからメシアンは反則でしょうか。いいえ、最近演奏頻度が爆上がりしているので反則ではありません。メシアンの「幼子イエスに注ぐ20の眼差し」より第10曲「喜びの聖霊の眼差し」です。同じ曲集でもっと難しい作品もあるのですが、とりあえず知名度で言ったらこれ。
この作品に拍子は存在しません。所々拍子を感じさせるのですが、それは5拍子とか不明な拍子です。音も非常に多く、9度が届かない人には演奏できません。また拍子もなく、ほんっとうに音が多いので暗譜が苦行です。
こちらの作品の楽譜はデュラン版で12,000円くらいです。レベルになってから楽譜は買おう…。
ムソルグスキー:展覧会の絵
リサイタルでも多く取り上げられるムソルグスキーの「展覧会の絵」。皆さんさらっと弾いちゃいますが、この作品は超難しいのです。あのスヴャストラフ・リヒテルが弾くまで、誰も手を出さないくらい難しかったんですよ。
「リモージュの市場」は活気がある市場を連想させますが、奏者はそれどころではありません。和音の同音反復、とにかく速い、速い、速い。最後の両手で和音を打ち鳴らすところはもう太鼓のロールのようです。
ジョン・ササス:マトルズ・ダンス
一体この作品は何でしょう。えぇ、こちらはマルチ・パーカッションとのデュオ作品となっています。ジョン・ササス(John Psathas)はニュージーランドの作曲家で、今もご存命です。打楽器の作品を多く手がけています。
その中でもこの「マトルズ・ダンス」のピアノは一体だれが弾けるんだ、というようなありさまです。拍子も11/16拍子や、4+3+2/8拍子など、ピアノ曲ではほとんど見かけることの無い拍子が頻出します。
ピアノは打楽器であることを認めなくてはならない作品です。
シューベルト:さすらい人幻想曲
え?シューベルト?と思った皆様、実はシューベルトはあまりピアノが得意ではなかったのです。それがゆえに
「まぁ、僕よりうまい人が弾けばこれくらい弾けるよね」
と書いた部分がもうそれはとんでもなく難しくなってしまったのです。シューベルトさん、ピアノ頑張って…。
(余談ですが、合唱曲を多く作曲している信長貴富さんのピアノ伴奏も、大変ユニークで大変難しくなっております)
プロコフィエフ:ピアノソナタ第7番Op.83「戦争」より第3楽章
さてさて、フォルテ君がストリートピアノで弾いているこの作品、本当に難しいのですよ。
冒頭から約3分はそんなに難しくはありません。7/8拍子ですが。しかし、プロコフィエフのコーダの書き方がもう大嵐で、なんでこんな風につくっちゃったの?というくらい難しくなってしまいました。
ここはあのユジャ・ワンでもやらかすくらい難しいのです(私もコンクールで弾いたけどコーダ来た瞬間の焦り方半端ないから)。
こちらはフォルテ君のストリートピアノ。さすがにこれはびっくりするよ。
ブラームス:ピアノソナタ第3番Op.5より第5楽章
ブラームス初期にして最後のピアノソナタの第5楽章です。全体的な難易度はそこまで高くはないのですが、1部分だけもうとんでもなく難しくなってしまった部分があります。
コーダの少し前の部分なのですが、こんな部分があります(ト音記号だよ)。

1を連続して使わないといけないし、うんと広げないと弾けないし、この部分でかなり広い手の交差をしなくちゃいけないしてもう地獄なんです。
ラフマニノフ:絵画的練習曲Op.39-6「赤ずきんちゃんと狼」
なんかかわいい名前しちゃってますが、これ超というかスーパー難しいんです。いや冗談ではなく。この方の演奏直後の顔を見てください。完全に何か乗り移っています。
まじめに解説します。この速さで微妙に同音反復を混ぜて、左手の和音で大跳躍。だれが当てられるのか(当てる人がいるから弾かなきゃならないのよ)。この作品を弾こうと思う人はもとからなんでも弾ける人なので、逆に成功率の高い作品とも言えるでしょう。
ジョン・ササス:ドラム・ダンス
また出ました、ジョン・ササス。かの「マトルズ・ダンス」を超える作品を、ジョン・ササスは書いてしまいました。その名も「ドラム・ダンス」です。
その名の通りドラムセットとのデュオ曲なのですが、もはやピアノは聞こえる?ってレベルなのに、超難しいのです。「本当に弾けるのか?」と思うのですが、多分弾けないと思う….。
シューマン:ピアノ協奏曲Op.54
いきなりですがシューマンのコンチェルトです。この作品は弾くことはできますが、音楽を構成することはもう非常に難しい作品です。この作品は30分間ずっとサビで、様々な感情がみちみちに満ちているのです。
聞く分には良いのですが、弾くのは鬼畜です。30分を無駄な時間にするか、エモい体験をさせるか、ピアノ奏者にすべてが委ねられる最恐の作品です。
まとめ
音大生が弾きそうだけどもうめちゃくちゃ難しい作品を10作品選んでみました。ジョン・ササスはもう弾けません(経験有)。プロコフィエフも超難しい!音大生の皆様、我こそはという方はぜひ上記の10作品を演奏してみてください。
打楽器科のみなさま、どうかジョン・ササスとジョリヴェのコンチェルトは勘弁してください。この通りです。
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