【練習曲】音大生泣かせのエチュードを書く作曲家8選

【練習曲】音大生泣かせのエチュードを書く作曲家8選 楽曲紹介
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どうも、ピアノ部部長、音大生のこうきです。今回は私たち音大生のピアノ科を本気で泣かせる練習曲を書いた憎き作曲家を8人紹介しようと思います。いいえ、このエチュードがあるからこそ、私たちは成長できるのです。でもすんごい難しいんだってー。

ショパン【練習曲Op.10&Op.25】

まずは王道、ショパンの練習曲から。ショパンはOp.10とOp.25の2集、計24曲のエチュードを書いています(3つの新練習曲については今はなし)。音大生は常にショパンエチュードの何かをさらっている状態です。良く弾かれるのはOp.10-1.4.5.8.10や、Op.25-5.8.9.12あたりでしょうか。

その中でも超難しいのはOp.10-2と、Op.25-6.11です。半音階、3度、木枯らしですね。人によって得意な分野は異なるのですが、私は3度が超苦手なので、出されてもいないのにもうさらっています。出されたときに弾けなかったら困るし…。逆に木枯らしのような音型は得意なのかもしれません、多分。半音階は知らないことにしておきましょう(4の指がちょっとね…)。

2019PTNA特級二次 亀井 聖矢/ショパン/エチュード イ短調 Op.10-2

リスト【超絶技巧練習曲S.139】

「ラ・カンパネラ」が入っているのは「パガニーニ大練習曲S.141」です。今回ご紹介するのは「マゼッパ」や「鬼火」が入っている「超絶技巧練習曲集S.139」です。いやぁ、この曲集は簡単な作品が入っていないんですよね。

この作品で1番短いのは1番で、その次に2番なのですが、両方難しいのです。いや、聞いている分にはそんなに大変そうに聞こえないのですが、1番は手を大きく開いた状態での3.4.5のパッセージがあります。2番はオクターブの跳躍に3度の同音反復、2.3.4の超高速パッセージがあり、難曲です。

しかし、有名な「マゼッパ」や「鬼火」はそれをすっ飛ばして難しいので、私には理解できません。マゼッパの後半の主題、目が藪にらみにでもならないと弾けないよ…。

辻井伸行 / リスト: 超絶技巧練習曲集 より 第4曲 マゼッパ

ラフマニノフ【絵画的練習曲集Op.39】

ロシアへ飛んできました。ラフマニノフの【絵画的練習曲集Op.39】を解説します。【絵画的練習曲集Op.33】もありますが、圧倒的にOp.39の方が難しいのですよ。Op.39-1は広いアルペジオ※1、Op.39-3はリズムが独特すぎてよくわかりません。特に難しいのはOp.39-6です。

このOp.39-6は「赤ずきんちゃんと狼」の名でも親しまれ、レスピーギが管弦楽バージョンにアレンジしています。鬼畜なのは素早い右手の同音反復、そして左手のスーパー高速和音跳躍です。譜読みの段階ですでにおなか一杯になりそうですが、意外とコンクールでは弾かれる作品なんですよ。

ラフマニノフ/「音の絵」より抜粋 [Op.39-1, 2, 3, 5, 8, 9] /演奏:内匠慧

スクリャービン【練習曲Op.42】

スクリャービンもロシアの作曲で、「神秘和音」を用いた楽曲で有名です。そんな宇宙マニアのような彼が書いた練習曲はOp.8.42.65とありますが、今回はOp.42を解説していきます。

スクリャービンは宇宙への調和に目覚めてから無調になり、またリズムが大変ややこしくなります。しっかり計算しないと弾けないリズムを書くので、それはもう厄介です。5連符と4連符を一緒に書かないでほしいですね、厳密にはこのリズムは割り切れてしまうので。

Scriabin – Etude Op. 42 No. 5 (Kissin)

ドビュッシー【12の練習曲】

ドビュッシーは晩年、ショパンエチュードの編纂に取り組んでいました。そこで、ドビュッシーも書きたくなったのです。エチュードを。がんに侵されながらも病床で書いたこの【12の練習曲】は、音大生の頭を悩ます1品です。

特に難しいのは最後の「和音のために」でしょう。これは本当にどう弾いたらいいのか分かりません。実際、ドビュッシーも病床で書いたので本人が弾いていないのです。ピアニズムを駆使すれば弾けないことはない?ものの、本番ではぐっちゃぐちゃになってしまう作品です。良く弾かれるのは「五本指のために(ツェルニー風に)」や、「半音階のために」、「反復音のために」でしょうか。

北原香菜 ドビュッシー 12のエチュードより 第7番 半音階のための Debussy, Claude Achille:12 Etudes"Pour les degrés chromatiques"

プロコフィエフ【練習曲Op.2】

プロコフィエフは「トッカータ」のような冷たさと「ロマンス」のような甘い柔らかな音楽の対比で有名ですが、このエチュードでは「トッカータ」を極めてしまいました。和音が多く、指に大変な負担がかかりますし、なにより大変…。

この練習曲を弾く人はかなりのテクニックがあり、なおかつ凄まじい度胸があることでしょう。また、プロコフィエフの作品を幾つか弾いていないとこのテクニック構成にはついていけないため、超難曲を言えるでしょう。

太田糸音/プロコフィエフ: 4つの練習曲 Op.2

シューマン【交響的練習曲Op.13】

ちょっと一休みです。この作品はエチュードですがエチュードらしくない作品です。練習曲の枠を超えた、1つの芸術作品に仕上がっています。

實川風 /シューマン Schumann:交響的練習曲Op.13 (1852年版)

リゲティ【18の練習曲】

この作品は極端にソルフェージュができ、なおかつ頭が良くないと演奏できない代物です。リゲティはフランス語読みですが、活躍したのはハンガリーです。そんな彼が書く練習曲は摩訶不思議、これ暗譜できるのですかね…?

そもそも拍子が無く、調性もない、合っているのかもわからない…。リゲティだけはほとんど聞かない作品です。たまーにいますがね。

リゲティ ピアノ練習曲集 第1巻 第4番 「ファンファーレ」

まとめ

音大生を本気で泣かせるエチュードの作曲家を8人紹介しました。どの作曲家のエチュードもとても勉強になりますが、できればリゲティは避けたいところ…。

  1. ショパン【練習曲Op.10&Op.25】
  2. リスト【超絶技巧練習曲集S.139】
  3. ラフマニノフ【絵画的練習曲集Op.39】
  4. スクリャービン【練習曲Op.42】
  5. ドビュッシー【12の練習曲】
  6. プロコフィエフ【練習曲Op.2】
  7. シューマン【交響的練習曲Op.13】
  8. リゲティ【18の練習曲】

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