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どうも、ピアノ部部長、音大生のこうきです。皆さんは、ピアノ弾くときに指を曲げていますか?伸ばしていますか?

私はほとんど曲げた指で弾いているかなあ、小さいころから慣れているし。

僕は意外と両方使うことが多いかも…
曲げた指で演奏する人が多いと中の人は勝手に思っていますが、実際はどうなのでしょうか?曲げた指奏法と、伸ばした指奏法の特徴を考えていきたいと思います。まぁ、結局どちらも使えることが最強なのですがね!

目次
曲げた指の音と体の使い方はどうなの?
音:クリアではっきりしている
曲げた指で演奏すると、音がクリアではっきり聞こえます。モーツァルトやバッハなどの古典的な作品、また主に旋律に使われることが多いタッチです。指先は指の腹より硬いので、鍵盤のタッチも硬くなり、より打楽器的な音が出るように思います。
また日本のピアノ教育でおなじみ「第3関節を上げる」という奏法は、指を曲げないとできません。まぁ指を曲げて第3関節を落とすというかなり無理のある奏法をする人もいますが、基本的には第3関節は上がると思います。
(中の人は小指が少し短いから、第3関節を上げすぎると小指が鍵盤に届かないという仰天の手を持っています)
身体の使い方:指の内側に無駄な力入りがち
指を曲げる動作は、手の内側(ひら側)に力を入れるので、そこに余計な力が入ってしまいます。立った状態で腕から手の力を抜いても、私たちの指は自然と曲がっています。それ以上曲げることは、無駄な力が入っている証拠です。決して曲げすぎないようにしましょう。
曲げすぎると前腕の下が痛くなります。この部分は深指屈筋(しんしくっきん)と呼ばれ、指を曲げるときに力を入れる部分です。痛みはどんどん肩の方に上がってきて、腕全体が痛くなってしまいます。曲げると爪も削れますので、あまり曲げすぎないでくださいね。
その他:使う人は多い
曲げた指で演奏する人は多いです。小さいころに「手は猫の形」と指導されることが多いからですね。また曲げた指の方が弾きやすいし、音もはっきりするので最初のうちは良いでしょう。
しかしドビュッシーやラヴェル、またショパンのノクターンを演奏する際は、指を伸ばした方がより良い音が出やすいのです。曲げた指に慣れている人は伸ばして演奏するのがイレギュラーのように思えますが、意外と指を伸ばしてもピアノは弾けるのです。ぜひ、1度指を伸ばして演奏してみてくださいね。
伸ばした指の音と体の使い方はどうなの?
音:柔らかくふわふわしている
伸ばした指奏法は、音がふわふわし、柔和な音を出すことが出来ます。指を伸ばすと鍵盤にあたるのは指の腹ですから、より柔らかくタッチできますね。タッチは速度や重さの他に、指の場所でコントロールする方法があることを忘れないでください。
伸ばした指だと力が入りにくいのですが、そこをうまく克服し力が入るようになると、ホロヴィッツのような音を出すことも出来ます。実際、ホロヴィッツは指を伸ばしてあの轟音のようなフォルテを出しています。
身体の使い方:関節痛めがち
先ほど書いたように、人間の指は脱力した状態では曲がっています。そこを敢えて伸ばすので、指を伸ばす筋肉(伸筋)に力が入りがちです。また関節も自然の状態からそれるので、痛くなりがちです。特に関節を強くすることはできないので、伸ばした指奏法に合わない人もいるでしょう。
しかし関節がもともと強めの人は、この奏法が可能です。もちろん体に負荷のかかる奏法に違いないのですが、上手くその負荷を逃がすことで、ホロヴィッツの奏法ができます。関節がガッチリしていると思う方は、是非試してみてくださいね。
その他:使う人が少ない
関節が弱い人は指を伸ばして弾くことが出来ません。関節が強い人もそう多くはないので、この指を伸ばす奏法を使用する人は少ないです。また、小さいころに指を曲げて弾くよう指導された人が多いので、伸ばして弾く人は少ないです。
曲げても伸ばしても弾ければ最強
曲げて弾く人、伸ばして弾く人、どちらも存在していいのですが、1番良いのはどちらの奏法も使えることでしょう。昨今、絶対音感と相対音感の思想が火花を散らせていますが、なんとも無駄な時間を過ごしているのでしょうか。絶対音感だろうが相対音感だろうが音楽が出来れば良いし、結局どちらも出来れば良いのです。絶対音感が無ければA.シェーンベルクの歌曲は歌えません。相対音感が無ければ純正律は得られません。
おっと話が逸れました。このように、両者を批判するのは馬鹿げたこと。どちらも出来れば文句はないのです。
まとめ
曲げても伸ばしてもピアノを弾けることは大切なことです。曲げた指はよりクリアではっきりした音を生み、伸ばした指はふわふわした柔和な音を生み出します。しかし、伸ばした指はその人の体の具合によっては合わない場合があるので、無理しないでくださいね。
どちらかに依存してしまっている人は、ぜひもう一方の奏法を試してみてください。タッチの種類を増やすことは、音色を増やすことにつながります。
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