【音大生】譜読みしたい曲を独断と偏見で30曲決めてみた(前半)

【音大生】譜読みしたい曲を独断と偏見で30曲決めてみた(前半) 楽曲紹介
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どうも、音大生のこうきです。いつも30曲一気に書きあげようとするのですが、量が多すぎるし、超大変なので、これからは前半後半に分けようと思います。

今回は音大生が譜読みしたい作品を独断と偏見で選んでみました。私は作品を作り上げるのに膨大な時間がかかってしまいます(体が勉強してくれない)。なので、1度にたくさん勉強して寝かせる時間が必要なのです。なので、これから勉強したい作品を考えてみました。

ま、考えているときが1番楽しいのだけれど…。

目次

J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻より第1番ハ長調

え!音大生なのにやったことないのかよ!と思われそうですが、実はまだ…。1巻は半分くらいやりましたが、2巻の開拓はまだまだです。特に自分は譜読みが遅いので、特にフーガにかなり時間を要しまして…(言い訳)。

この作品に関しては特にフーガが優れているとおもいます。トッカータ風のフーガは実は珍しく、当時はやはり声楽スタイルの対位法的作品が筆頭していたことがよく分かります。声楽スタイルのフーガも十分難しいが。

ハイドン:ソナタHob.50 ハ長調

実はハイドンにも自分は縁がなく、コンクールで出す作品がないという始末。おれ本当に音大生なのか?いや、最近のピアノ学習者はやっている作品数がどうやら少ないらしいです。らしい。

この作品は非常に快活で、どこか前古典派の、バロックの音楽を踏襲したような響きがします。密集系による分散和音は現代のピアノで弾くと普通ですが、チェンバロで弾くとかなりの迫力があります。

ハイドン:ソナタHob.52 変ホ長調

多分、1度は聞いたことがあるでしょう。この作品は「調性によって心情の変化を表したこと」で有名な作品で、コロコロ変わる調性によって雰囲気が変化していきます。でも音が結構細かいっすね…。

いやお前、ピアノ弾かなすぎだろ、と思った方がいるかと思います。やっている作品数が圧倒的に少ないことに気がついたのは高校2年くらいなので、それから必死にベートーヴェンやバッハを譜読みしています…(弾けるかは別)。

モーツァルト:ピアノソナタK.330 ハ長調

最近、チャイコフスキー国際音楽コンクールで藤田真央さんが1次予選で弾かれていました。非常に瑞々しいモーツァルトを奏でるには指先のしなやかさと弾力が必要で、大抵音が潰れてしまいます。

モーツァルトの音楽的特徴が溢れた作品(いや、どの作品も溢れているか)で、2度と同じことを繰り返さないのはモーツァルトの書法というより、当時の聴衆を飽きさせない目的だったのでしょう。

モーツァルト:ピアノソナタK.280 へ長調

モーツァルトのソナタはK.300番台が良く弾かれるのですが、200番台もとても良い作品が隠されています。16分音符と3連符が入れ替わるのは、モーツァルトもアイディアにてこずっているのでしょうか(そんなわけない)。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番K.488

しっかり音楽史を勉強したつもりでしたが、この作品のケッヘル番号が分かりませんでした。いや、488という数字は咄嗟に浮かびましたが、フィガロの結婚も488だった気がして、思わず調べてしまいました。フィガロの結婚は492です。

モーツァルトの協奏曲はまだバロック期の合奏協奏曲の様式が残っており、ピアノ協奏曲といってもソロ楽器がピアノなだけで、特別ピアノの技巧をアピールする目的では作られていません。なので、ロマン派以降のピアノ協奏曲に比べて易しいです(易しいからこそ難しいのであるが)。

ベートーヴェン:ピアノソナタ第4番Op.7変ホ長調

ベートーヴェンのソナタはブラームスの友人で指揮者だったハンス・フォン・ビューローによって「新約聖書」との別名を付けられました。それほど偉大な作品集にもかかわらず、どうも初期の作品は低く見積もられていて、演奏頻度はそう高くありません。

4番を選んだのに特に意味はなく、前期のソナタで弾きたい作品でした。2.3番はもう見てしまいました。

ベートーヴェン:ピアノソナタ第13番変ホ長調Op.27-1「幻想風」

Op.27-2は月光なので、ある意味対になる作品です。実は「月光」自体には何も名前が付されていないので、この13番の「幻想風」の意味を汲み取って「月光」と名付けられたんですよ。

ベートーヴェン:ピアノソナタ第30番ホ長調Op.109

いや、音大生がなにをのたまっているのか、と思われそうです。でも、譜読みだけだったら、してもいいじゃん?

もちろんこの作品をすぐコンクールや試験に出すわけではありません。試験に出したところで点数は付きません。重要なのは、時間をかけて磨いていく作品を見抜くことです。

シューベルト:さすらい人幻想曲

先月(2019年9月のこと)、チョ・ソンジンの来日公演の際に演奏していましたね。私も聞きに行きましたが、本当に末恐ろしさを感じたのはリストのソナタロ短調。あそこまでストレスのないオクターブのパッセージは聞いたことがありません。

「さすらい人」というのは、シューベルトの歌曲「さすらい人」の旋律が引用されているのが所以です。非常に有機的にまとめられ、シューベルトのピアノ曲を代表する作品です。

メンデルスゾーン:厳格なる変奏曲Op.54

メンデルスゾーンのピアノ作品で最も優れていると言えましょう作品は「厳格なる変奏曲」です。「厳格なる」の意味は分かりませんが、恐らく曲想のことでしょう。一切の緩みを許さず、虎視眈々と進んでいきます。

この作品の「変奏」は、テクニカルな部分が注目されがちですが、本質は音楽にあります。先に目に入るのはやはり技巧的な変奏ですが、そこからどんな音楽を見出すのかが、この作品の演奏を大きく分けます。

ショパン:ピアノソナタ第3番ロ短調Op.58

ショパンは3つのピアノソナタを残しています。1番は修行期に作られた作品で、なんとも言えません。もちろん2番も3番と並ぶ最高傑作ですが、私の好み的には3番かなぁと。

3番は2番よりも長大で、非常に複雑な構成を持っています。複雑が故、ショパン自身も路頭に迷っている感じがありますが、そこは天才です。特に第3楽章の精神世界は、2番にはない魅力を感じます。

ショパン:ポロネーズ第5番嬰へ短調Op.44

意外と認知されていないこの作品、英雄ポロネーズや幻想ポロネーズの方が認知度が高いですからね。ショパン円熟期の幕開けに相応わしい作品と言えるでしょう。

ショパンは生涯3部形式の作品を作り続けました。逆に3部形式でない作品は非常に複雑な作品となっています(バラードなど)。この作品も同じで、少し聞きにくい感じはあるものの、傑作となっています。

ショパン:ポロネーズ第7番変イ長調Op.61「幻想」

英雄ポロネーズはちょっとコンサートピース※1になっている感じが否めないから、ちょっと置いておきます(素晴らしい作品なのだが)。

序奏からショパンが天才であることを疑わずにはいられません。あまりに孤高すぎる作品です。我流、ショパン3大難しい作品は、前奏曲Op.28(全曲)と、バラード第4番Op.52と、幻想ポロネーズでしょう。

※1…月の光、ラ・カンパネラ、ノクターン9-2とか。

まとめ

いや、はやく譜読みしろよ!

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