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どうも、音大生のこうきです。今回も発表会で映える作品を10作品選んでみました。part5ですね。中学生くらいから大人まで対応しました。ついに現代曲に手を出してしまいましたが内部奏法はやめてくださいね。シューベルトやフォーレから選曲しました。発表会で映える作品とは、長くて速い曲です。繰り返しが多くても、曲が長ければOK!
目次
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻より第1番BWV870
平均律クラヴィーア曲集というと、どうも第1巻ばかりが目立つように思いますが、全くそんなことはありません。むしろ第2巻の方が様々な構成のフーガがあったり、時代の変遷とともに響きも変わっていった様子が窺えます。
この第1番は荘厳な前奏曲と、コミカルなフーガで成されています。バレンボイムの前奏曲はぜひ聴いて欲しいのですが、彼は2オクターブで最初のドの音を弾いています。バッハには珍しい、楽しいフーガもついているので、ぜひ演奏してみて下さい。
モーツァルト:ピアノソナタK.310 イ短調
こちらはちょっと難しいけど、弾きごたえのある作品です。モーツァルトのソナタ18曲において短調は2作品しかありません。これと、K.457のハ短調。彼にとっての短調を考えさせられる作品です。
この作品は本当に難しい作品です。モーツァルトの作品は簡単そうに聞こえて難しいのが多いのですが、この作品は難しく聞こえるし本当に難しいです。アルペジオとか、結構…ね。
左手もかなり動き回りますので、しっかりさらって下さいね!
ハイドン:ピアノソナタHob.50 ハ長調
非常に小さい作品で、全楽章弾いても12〜3分で済みます。理由は第3楽章がビビるくらい短いからなんですけどね。ソナタはやはり全楽章譜読みしたいものです。
ハイドンはモーツァルトの師です。モーツァルトはベートーヴェンの師。ウィーン学派に分類される3人はこのように師弟関係にあったのです。そりゃ、曲は似るわ。
瑞々しいハイドンのソナタ、お楽しみ下さい!
シューベルト:ピアノソナタ第3番D.537
シューベルトのソナタは、意外と把握できていないジャンルです。私も勉強しなくてはいけません。そんな中で私のオススメなのはD.537のイ短調のソナタです。こちらのソナタもハイドン同様、12〜3分で全楽章演奏可能です。
この作品で特に優れているのは第2楽章。シューベルトは歌曲の王とも呼ばれていますが、その旋律は器楽作品にも顕著に表れているようです。ペダルの入れ方が非常に難しいのですが、できればノンペダルで演奏してくださいね。スタッカートついていますし(スタッカートが付いているからペダルを使ってはいけないことではない)。
ショパン:バラード第3番変イ長調Op.47
ショパンのバラード中唯一の長調の作品。第2番は、出だしはヘ長調なのに最後はイ短調で終わる、意外と取っ散らかってしまった作品。まぁ、坂の上から魔女が駆け下りてきて、自分は転がり落ちるっていう詩が元だから、仕方ないかな…。
この作品はとてもすぐれた作品で、バラード唯一のハッピーエンドの作品です。コーダは非常に華やかで、弾きごたえもあるでしょう。嬰ハ短調の部分の右手は超難しいですが、鍵盤の感覚を適切にとらえることで可能となります。
リスト:パガニーニ大練習曲より第5番「狩」
「パガニーニ大練習曲」と「パガニーニによる超絶技巧練習曲」は、全く違う作品なので注意してください、いいえ、もちろん後者が初版だということは既知の事実ですが、あまりに難しすぎて本当に指が50本くらい必要なので、ほとんど違う作品と言ってよいでしょう。
そんなヤバい作品集のなかでも唯一弾きやすいのはこの「狩」です。ホルン5度が多用され、狩の響きがぷんぷんします。ホルン(=角笛)は狩で使用する楽器ですからね。グリッサンドも何度か出て来るので、発表会では映えるでしょう。
ブラームス:ピアノソナタ第1番ハ長調Op.1
ブラームス初期の作品です。ブラームスのピアノ曲は初期のソナタ3つと、変奏曲たち、中期の小品Op.76と、後期の小品集Op.116~119となっています。その幕開けにふさわしい、華々しい作品となっています。
ブラームスはピアノが上手かったので、書く作品ももちろん難しくなっています。
ムソルグスキー:「展覧会の絵」よりプロムナード&キエフの大門
最近全音ピアノピースで発売されました、この2曲セット。難易度Dになっているけど、多分キエフの大門はもっと難しいと思う…。藪にらみ(黒目が両側に向くこと)にならないと弾けないところがあるからさ…。
プロムナードで意識したいところは拍子。4分の5拍子と6拍子が混在するので、惑わされないようにしましょう。それにしても不思議なことは、皆拍子を気にして聞いていないのに、なんとなく歌えてしまうこと。
フォーレ:即興曲第2番変イ長調
本サイト初めてのフォーレかもしれません。フォーレは後期ロマン派に生きた作曲家で、歌曲や室内楽のジャンルでも活躍しました。また彼はオルガニストで、オルガンのような指使いをする佳代が散見されます。
この作品の構造はかなり単純ですが、テクニック的に少し厄介です。でも、フォーレのノクターンや舟歌の3番以降に比べたら少しは弾きやすいのかも…?私は舟歌の5番をやったことがあるのですが、玉砕しました。
ハウベンシュトック:Catch 2
ここに来てまさかの現代曲です。いや、現代に作られた作品は全て現代曲なので、少し語弊がありましょう。この「Catch 2」というのは、図形譜で書かれた作品なのです。
図形譜とはその名の通り、音符の代わりに図形が書かれていて、その図形を演奏するのです。作曲家によってその書き方は様々ですが、ハウベンシュトックは◯や四角、波線などを用いています。
しかも、その弾き方は決まっているという恐ろしさを含みます。内部奏法で演奏する場合もありますが、たいていのホールは内部奏法は禁止なので、やめて下さいね。
まとめ
とうとう現代曲に手を出してしまいました。そろそろヴェーベルンやベルクを勉強しなくてはならないのか!
- 1 J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻より第1番BWV870
- 2 モーツァルト:ピアノソナタK.310 イ短調
- 3 ハイドン:ピアノソナタHob.50 ハ長調
- 4 シューベルト:ピアノソナタ第3番D.537
- 5 ショパン:バラード第3番変イ長調Op.47
- 6 リスト:パガニーニ大練習曲より第5番「狩」
- 7 ブラームス:ピアノソナタ第1番ハ長調Op.1
- 8 ムソルグスキー:「展覧会の絵」よりプロムナード&キエフの大門
- 9 フォーレ:即興曲第2番変イ長調
- 10 ハウベンシュトック:Catch 2
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