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どうも、音大生のこうきです。今回は大人の方々向けに、大人向けのピアノ発表会にオススメな作品を考えてみました。ゆっくり人生を諭すような作品から、人生経験を語りまくるような作品、また大人からみた子供を音に表した「子供の情景」もオススメです。アマチュアピアニストはもうなんでも弾けるので、ラヴェルに挑戦してみては?
目次
- モーツァルト:キラキラ星変奏曲
- モーツァルト:ピアノソナタ第18番K.576
- ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番「悲愴」Op.13より第2楽章
- ベートーヴェン:ピアノソナタ第14番「月光」Op.27-2より第3楽章
- シューベルト:即興曲Op.142-1
- シューベルト:即興曲Op.90-3
- メンデルスゾーン:厳格なる変奏曲Op.54
- ショパン:ノクターンOp.9-2
- ショパン:ノクターン遺作
- シューマン:子供の情景Op.15
- リスト:愛の夢
- リスト:ラ・カンパネラ
- ブラームス:小品集Op.118より
- ドビュッシー:月の光
- ドビュッシー:ベルガマスク組曲より「前奏曲」
- ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女
- ドビュッシー:沈める寺
- ドビュッシー:前奏曲集第2集より「花火」
- ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
- ラヴェル:水の戯れ
- まとめ
- 合わせて読みたい
モーツァルト:キラキラ星変奏曲
非常にかわいらしい作品ですが、大人の方が弾いても様になります。大人だからこそ、子供を諭すような演奏ができるかもしれません。そもそもこの作品は子供用に書かれた作品ではないので、大人が弾いても良いのです。
余裕を持った演奏を!
モーツァルト:ピアノソナタ第18番K.576
モーツァルトが初めて宮廷音楽用ではなく公開演奏会用に書いたとされるピアノソナタ。彼はこの作品を出版できるよう、かなり弾く人のことを考えて作ったようですが、なんと今までのソナタの中で1番難しい作品が出来てしまいました。
ソナタの中でもかなり堅牢な構成で、指が回る子どもでも上手く演奏できないでしょう。大人だからこその知性や表現を駆使して演奏しましょう。
ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番「悲愴」Op.13より第2楽章
大人のピアノ弾きは指は回るし表現力も兼ね備えた、立派なアマチュアピアニストです(たまにプロ並みに上手い人もいるけど)。悲愴の第2楽章のようなテンポの遅い作品を弾いても、ピアニストはゆっくり聴衆を引き付けることが出来るはずです。
この後に第3楽章を弾くと雰囲気がガラッと変わり、2つの側面の対比を楽しむことが出来るかもしれません。
ベートーヴェン:ピアノソナタ第14番「月光」Op.27-2より第3楽章
大人の本領発揮ともいえようこの作品、様々な人生経験を経たあなたなら弾けるはずです。そしして見せつけてやりましょう、人生の難しさを!(は?)
ちなみにこの作品は本当にめちゃくちゃ難しいので、腕に自信のある方が挑戦してくださいね。ある意味で人生経験を語るのは第1楽章のほうが良いかもしれませんね。
シューベルト:即興曲Op.142-1
こちらも人生を語るには良い作品。でも、シューベルトはなんと31歳で亡くなっているので、シューベルトからしたら現代の大人とはもはや超人…。いや、シューベルトが31歳にしてかなり老いていた感じはあります。彼の時代の大人と私たちの教養の差ははかり知れませんから。
シューベルト:即興曲Op.90-3
シューベルトの即興曲の中で1番美しい作品です。それはもう、あまりに美しすぎるのです。皆さんの心は澄み切っていますか?皆さんの心は浄化されていますか?この作品を演奏するときは心を穏やかにし、日々のストレスから解放される必要があります。
メンデルスゾーン:厳格なる変奏曲Op.54
こちらは大人の厳しさを伝える作品。「厳格なる」とは、中学校の卒業式のような、自衛隊の敬礼のような雰囲気を持ちます。一糸乱れぬ技巧的な変奏に、音楽が寄り添っていくこの作品はメンデルスゾーンの最高傑作でしょう。
ショパン:ノクターンOp.9-2
ショパン初期の作品でとてもすぐれた作品です。また「ショパンのノクターン弾いて」と言われたら、大体この作品ですので、レパートリーにしておくと良いでしょう。
ショパン:ノクターン遺作
ショパンの遺作というのは、大体がショパンの友人、フォンタナが出版しました、しかしフォンタナはショパンが生前に「僕が死んだら、残った作品は全て焼き払うように」と言われていたのにも関わらず出版したのです。
天国のショパンはどう思っているのか、そしてフォンタナとの仲はどうなっているのか、非常に気になることろです。
シューマン:子供の情景Op.15
子供の情景だから、子供が弾くべき作品、という訳ではなく、大人が見た子供を表現した作品です。つまり、本当に演奏すべき人は大人なのです。回想しながら弾くのも良し、子供を楽しませるように弾くのも良いでしょう。
リスト:愛の夢
大人なピアニストが弾けたらカッコいい作品の1つです。リストは大抵が難しい作品なのですが、こちらの作品は弾きやすく作られています。ですから、あまり指が回らなくてもどうにかなるように作られています。
しかし、この作品の元となった歌曲の歌詞は「あぁ、もっと僕のことを愛せば良かったのに(天国から現世の妻に向けて」なのです。こんな歌曲、間違っても結婚式では歌えません!でも、ピアノ版なら弾けちゃう、なんとも言えない作品です。
リスト:ラ・カンパネラ
4分台を狙うのであれば超大変な作品です。しかし、良い演奏とはテンポの遅い演奏とも言えます。それなりの情報量を詰めた演奏は、速くないのです。ですから、そんなに速く弾かなくて良いですよ、カンパネラでも。
ブラームス:小品集Op.118より
ブラームスはロマン派に分類されますが、実はショパンやリストとは20歳以上違い、彼の初期の作品はすでに1850年をすぎていました。ロマン派と印象派音楽をかじっていたブラームスの後期の作品はピアノのための小品集です(Op.116〜119)
シューベルトの項でも書いた通り、当時の教養は凄まじいものがあり、私たちと引き比べることは恐れ多いことです。そのブラームスが後期に書いた作品となれば、それなりに内容の詰まった作品だということが窺えます。みなさまの人生経験を、ここに託してください。
ドビュッシー:月の光
発表会で映えるのはドビュッシーです。難しそうに聞こえ、尚且つ美しい曲がたくさんあるからです(それっぽく弾けてしまうというのもあるが)。ドビュッシー初期の作品からは誰もが知っている「月の光」を推薦します。
ドビュッシー:ベルガマスク組曲より「前奏曲」
「月の光」と同じ「ベルガマスク組曲」に入っている第1番「前奏曲」です。この作品は意外と認知度が低いようですが、組曲の幕開けの作品としてふさわしい、非常に開いた作品です。実はわたしは「月の光」よりこっちの作品が好きかもしれません。
広い音域を使い、ピアノを存分に鳴らします。オーケストラの弦楽のような響きがして、とても気持ちが良いです。かと思えば高音で儚くさえずる部分もあり、組曲全体を統制しています(パスピエはかなり謎が深い作品だが)。
ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女
確かDAIHATSU(ダイハツ)のCMで使われていたと思います。非常に単純な音なのに、意外と思いつかない音列。この意外と思いつかない音列を見つけることに、作曲家は喜びを感じるのでしょうか(作曲の友達は主題を500個くらい作るらしい)。
ドビュッシー:沈める寺
こちらはドビュッシーの作品の中では意外と知られていない作品かもしれません。「寺」という訳はいいのでしょうかね?フランスに当時寺院があったのか、それともドビュッシーがたまたま知っていたのか、誤訳なのか…。
水に沈んでいくような冒頭が印象的で、非常に美しいです。しかしその沈んだ寺は浮上を始め、雄大なスケールで水面から姿を表すのです。いや、海中の神殿としてその存在意義を確固なものにしたのかもしれない、なかなか想像が働く作品です。
ドビュッシー:前奏曲集第2集より「花火」
指が回る方にオススメしたい作品。ドビュッシーの時代にも花火はあったようですね。ドビュッシーの作品は印象派と言われていますが、実際は物体をより写実的に描いた主義ではないかという説が浮上しています。
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ラヴェルの初期の作品。水の戯れと一緒に初演され、酷評を得なかった方の作品です。ラヴェルは管弦楽王ですから、こんな美しい作品を管弦楽に返却しないわけがありません。管弦楽版も、それは美しい作品に仕上がっています。
決して興奮しない作風で、静かに私たちを諭します。簡単そうですが、全くそうではないので覚悟の方をよろしくお願いします。ラヴェルは簡単な作品を残していませんから!
ラヴェル:水の戯れ
わたし、もっと作品を挙げていたと思っていましたが、もう終わりのようです。亡き王女のためのパヴァーヌと一緒に初演して、サン=サーンスに酷評された作品ですが、現代人の耳には美しくしか聞こえません。
9の和音(ドミソが基本、その上にシレを乗っけた和音)を駆使して水の流動性を表現しています。水たちは踊り、そして流れます。ラヴェルの作品は難しいことが前提なので、これに挑戦する人はもうそれは頑張ってくださいね(楽譜を見ただけで諦めるのはなし)。
まとめ
- 1 モーツァルト:キラキラ星変奏曲
- 2 モーツァルト:ピアノソナタ第18番K.576
- 3 ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番「悲愴」Op.13より第2楽章
- 4 ベートーヴェン:ピアノソナタ第14番「月光」Op.27-2より第3楽章
- 5 シューベルト:即興曲Op.142-1
- 6 シューベルト:即興曲Op.90-3
- 7 メンデルスゾーン:厳格なる変奏曲Op.54
- 8 ショパン:ノクターンOp.9-2
- 9 ショパン:ノクターン遺作
- 10 シューマン:子供の情景Op.15
- 11 リスト:愛の夢
- 12 リスト:ラ・カンパネラ
- 13 ブラームス:小品集Op.118より
- 14 ドビュッシー:月の光
- 15 ドビュッシー:ベルガマスク組曲より「前奏曲」
- 16 ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女
- 17 ドビュッシー:沈める寺
- 18 ドビュッシー:前奏曲集第2集より「花火」
- 19 ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
- 20 ラヴェル:水の戯れ
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