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どうも、ピアノ部部長、 音大生のこうきです。今回は「速い」「激しい」をテーマにピアノの発表会でオススメな作品を30曲選んでみました。ブルグミュラーはもちろんギロック、またショパンにも激しい、速い作品は何曲かあります。リストはドビュッシー、プロコフィエフ、ベートーベンなどから選びました。ピアノ発表会で映える「シフラ編曲」とは一体なに?
目次
初級者編~ブルグミュラー25の練習曲程度~
ブルグミュラー:25の練習曲より「別れ」
イ短調の悲しい、激的な別れが伺える作品で、25の練習曲の中でもトップクラスに入る難易度を持ちます。私はこの作品が弾けなくてレッスンで泣いた記憶があります。指が回るようになったら選んでくださいね!全て順番通りに弾く必要は全くありません。
ブルグミュラー:25の練習曲より「バラード」
私が25の練習曲中1番大好きな作品です。不穏な雰囲気が立ち込める中、何かうごめくものがあります。恐怖感は増し、ついに爆発!そうすると突然場面は桃源郷に変わり、私たちを幸せの園へ誘います。
左手のパッセージは少し難しいので、よくさらうようにしてください。また最後のユニゾンもぐちゃぐちゃになるポイントですから、よく両手がそろっているか聞いてくださいね。
ブルグミュラー:25の練習曲より「せきれい」
あ、この作品も泣いた記憶があります。だって跳躍が激しいから中々当たらないんだよね…。
実は25の練習曲には2台編曲版があります。第1ピアノの人は原曲をそのまま弾くだけでいいので、勉強がてらレッスンで即席アンサンブルを楽しむことが出来ます。
ギロック:子供のためのアルバムより「手品師」
激しいというよりはとにかく速い作品です。手品師というのは分かりやすく言うとピエロのこと。ピエロはおどけて私たちを楽しませますが、その反面、悲しい顔を持っています。
「道化師」や「手品師」を書く作品はみなレオンカヴァッロのオペラ「道化師」を見ています。ぜひ皆さんも見てみてくださいね。
ギロック:子供のためのアルバムより「魔法の木」
ミステリアスな雰囲気はまさに「魔法」。左手から始まるこの作品は弾くのがかなり大変でしょう。でもとてもカッコイイ作品ですよ!
ギロック:子供のためのアルバムより 「ソナチネ」
子供のアルバムの最後に収録されている作品はこの「ソナチネ」です。ソナチネとは「ソナタ」の規模が小さい作品のことを指します。
3楽章形式で、典型的な1楽章速い、2楽章遅い、3楽章速いという配列になっています。余裕があれば全曲やるのがお勧めです。もしくは1楽章or2.3楽章の組み合わせが良いでしょう。
ベートーヴェン:トルコ行進曲
こちらはベートーヴェンの方。難しそうに聞こえるけどそんなに難しくないから、小さい子に特にオススメ!
中級者編~ツェルニー30番練習曲程度~
中田喜直:エチュード・アレグロ
「アレグロ」の名の通り、とても速い作品です。音も多く、楽しい感じの作品なので、発表会では引っ張りだこの作品です。
この曲最大の見せ場は最後のグリッサンドです。意外と使わないグリッサンドを発表会でやれるのは、とてもうれしいことでしょう。
平吉毅州:真夜中の火祭り
テンポが速く、また拍子がとても独特な作品です。合う子と合わない子がいるので、無理だったら潔く他の作品にしましょう。
モーツァルト:トルコ行進曲
ベートーヴェンの方ではありませんよ。「しらそらど~」の方です。テンポは実はそんなに速くないですが、面白みのある作品です。
この曲で気を付けるべきところは、意外と手の大きさが必要なところです。素早い和音の装飾音符は、オクターヴがギリギリの子にはかなり難しい箇所となってしまいます。ある程度手が大きくなってからチャレンジしましょう!
ベートーヴェン:うつろな心の主題による6つの変奏曲
全音ピアノピースに収録されている変奏曲2曲のうちの1つです。古典派(厳密にはウィーン古典派)の作曲家たちは、変奏曲というジャンルに強いこだわりを持っていました。特に有名なのは「エロイカ(英雄)変奏曲」。
シューベルト:即興曲Op.90-2
シューベルトはあまりピアノが得意では無かったそうです。それが故「僕よりピアノがひけるならこれくらい弾けるよね♪」と書いた作品がめちゃくちゃ難しくなった、という伝説を持ちます。「魔王」のオクターヴ連打はヤバいですからね。
この作品は非常に速い音階によるパッセージと、中間部の和音の力強い場面を併せ持った作品です。きれいに弾けると非常に映えるので、オススメです。
ショパン:軍隊ポロネーズOp.40-1
ポロネーズとはポーランドの民族舞曲のこと。ショパンは8~9作品ほどポロネーズを作り、3番目に出版されたのがこの「軍隊ポロネーズ」です。意外と知られていない作品だけど、和音がメインの作品でとてもカッコイイですよ!
ショパン:ワルツホ短調遺作
いつもはイ短調の方をオススメするのですが、今回はこちら。ホ短調の方です。こっちの方が知名度自体は高いかもしれませんね。
大変そうに見えるけど、いざ弾いてみるとそうでもないという、変な作品です。もちろんオクターヴの広いパッセージはありますが、なんとか乗り切れる程度の難易度です。ぜひ、この機会にショパンに挑戦してみてはいかがですか?
上級編~ツェルニー40番練習曲以上程度~
ベートーヴェン:月光ソナタOp.27-2より第3楽章
宇野昌磨選手が演技したことでも知られる「月光ソナタ」より第3楽章です。言わずと知れた難曲。速くて大変、うん、大変。
ショパン:スケルツォ第1番Op.20
ショパンはあまり速くて激しいだけの作品は作りませんでしたが、この作品は別です。中間部を覗けはまるで火のように熱い音楽が繰り広げられています。しかし、この速い部分は繰り返しばかりなのでそんなに大変ではありません。
ショパンは手が柔らかかったので、非常に広い和音でも手首をくるんと回転させて届かせてしまいます。レガートを意識してさらってください。また、高音に跳ぶときは11度の場合もあるので、譜読み間違えの無いようにしてくださいね!
ショパン:英雄ポロネーズOp.53
この作品はあまりに有名だからこそ、発表会で弾けたらカッコいいです。難しさに見合った演奏効果が発揮されるのは、この作品の特徴でもありますね。
ショパン:幻想即興曲Op.66
皆大好き(中の人調べ)、幻想即興曲です。まさに「速い」「激しい」を併せ持った作品ですね。この2つの要素を持ち合わせた作品こそ、発表会で弾くのにふさわしい作品なのです。
この作品の難しいところは、実は最初なのです、最初のパッセージが弾ければ、もう買ったも同然。そこより難しいパッセージは出てきませんから、安心してくださいね。あまり速く弾くと、半音階で潰れますからご注意を。
リスト:愛の夢
結婚式で弾いてほしい作品No.1(中の人の独断と偏見)の愛の夢です。間違っても歌曲を良いししてはいけません。死んだ夫が妻を皮肉る、という歌詞ですから!
リスト:ラ・カンパネラ
発表会で弾いたらひとめぼれになっちゃうような作品ですね。幼稚園生男児曰く、この作品は鍵盤に向かって「バイバイ」している作品だそうです。
跳躍の練習曲ですが、意外とそこは計算高く作られているので、問題にはなりません。地味にエグイ技術が要求されるのは同音連打です。1.2指で連打してオクターヴ上の音を5指で弾くのは途轍もなく難しいのです。
ドビュッシー:ピアノのためにより「プレリュード」
「ピアノのために」という作品は3作品からなる組曲で、よく演奏されるのはこの第1番「プレリュード」です。ドビュッシー独自の和声、グリッサンド、また素晴らしい終わり方は必聴です。
ドビュッシー:前奏曲集第2巻より「花火」
ほとんどエチュードのような作品で、一切の音の乱れを許しません。ドビュッシーの時代(1900年頃)にも花火はあったんですね~。
ラヴェル:水の戯れ
CMでもよくつかわれる「水の戯れ」は、思った通り難しい作品です。ラヴェルはピアノが上手かったので、音が非常に多いです。手首をこねくりまわしても、弾けるかどうか…。
超絶難易度編~ゴドフスキー53の練習曲程度~
プロコフィエフ:トッカータニ短調Op.11
こちらの作品は 「~ゴドフスキー53の練習曲程度~」では1番簡単な作品かも知れません。 トッカータとは「無窮動」のような意味を持ちます。
J.S.バッハ=ブゾーニ:シャコンヌ
基はJ.S.バッハの、ヴァイオリンのためのパルティータ第2番よりシャコンヌです。シャコンヌと聞くと舞曲のようなイメージを持ちますが、実際は全く違います。低音の主題が延々と繰り返されるジャンルのことを、シャコンヌと呼ぶのですね。
実はシャコンヌと全く同じ特徴を持つ作品に「パッサカリア」があります。J.S.バッハの作品の中にはパッサカリアもありますから、どちらをどのように分けていたのか、気になるところですね。
リスト:超絶技巧練習曲集より第4番「マゼッパ」
いや、どうやったら弾けんねん。という感じの作品です。ただただ時間がかかる作品なので、2年前くらいから準備をすれば案外良い感じにまとまるかもしれませんよ。多分。
ラフマニノフ:ピアノソナタ第2番Op.36(初版)
ラフマニノフのピアノソナタ第2番は初版と1931年版が存在し、今は圧倒的に1931年の改訂版が演奏されます。音楽的にも有機的に統合され、聞きやすくなりました。
じゃあなんで初版をススめたかというと、難しいからです。非常に、いやインク代が高くなるくらい音が多くなり、処理が大変になります。もちろん暗譜も難しくなるし、弾けないし、ひけないし…。
ビゼー=ホロヴィッツ:カルメン変奏曲
ホロヴィッツは展覧会の絵も編曲しましたが、このカルメンも編曲しました。このカルメン変奏曲は様々な楽器用にも編曲され、アンコールピースとしてよく演奏されています。
リムスキー=コルサコフ=シフラ:熊蜂の飛行
リムスキ=コルサコフはムソルグスキーと同じ「ロシアの5人組」の1人で、展覧会の絵の出版に踏み切った人です(あとはキュイ、バラキレフ、ボロディン)。
このレベルまでくると熊蜂の数が数匹から数億匹規模に膨れ上がった感じがしますよね。音符も数兆匹の蜂に見えないこともないです。それにしてもユジャ・ワン、よく弾けますよね…。中の人は開いた口がふさがりません。
ヨハン・シュトラウス2世=シフラ:トリッチ・トラッチ・ポルカ
熊蜂の飛行の方が難しいかな、いいや微妙だな…。この作品の超難しいところはクライマックスの跳躍です。どうやってアテルノコレ。
まとめ
「~ゴドフスキー53の練習曲程度~」は一旦忘れましょう。誰が弾くってんだい。
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