【ピアノ】音大生が学んだ「アップライトとグランドの違い6個」

【ピアノ】音大生が学んだ「アップライトとグランドの違い6個」 雑記
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どうも、ピアノ部部長、音大生のこうきです。今回は意外と知られていないアップライピアノとグランドピアノの違いについて解説しました。グランドの方が良い!という根拠はあるのでしょうか?

グランドの方が良いという根拠は主に、エスケープメントという素早い連打を可能にする機構が関係しています。アップライトのピアノより、グランドの方が速く連打できるのです。その仕組みについては下記をご覧くださいませ。

値段もそれ相応に変わりますが、アップライトからグランドに買い替えるよりは、さきにグランドを買ってしまった方が良いのかと…。ピアノを習う人はピアノだけを習う場合が多いので、他の習い事をしない条件でグランドピアノを買うのも手かもしれません。

目次

弦の張られている向き

グランドピアノ、アップライトピアノの中身を見たことはありますか?グランドピアノはまだしも、アップライトピアノはあまり開けないと思います。上の蓋を開けて、うまく正面の板を外し、鍵盤の蓋を外すとアクションや弦が姿を現します。

アップライトピアノは弦が縦に張られていて、グランドピアノは横に張られています。これは奥行きに影響を与え、アップライトピアノは奥行きが長くならないよう、縦に張られているのです。

また、それにより弦の長さや響き、アクションまでも全く違う機構となっているので、下記を読み進めてくださいませ。

弦の長さ

ピアノの大きさによって、弦の長さは変わります。アップライトの方が短いですね。縦にめちゃくちゃ高いアップライトピアノは無いです、多分。

大きいグランドピアノの奥行きは280㎝です。小学生男児を2人分並べたくらいの大きさで、こんなに大きい楽器は、パイプオルガンを除いてピアノだけです。私たちは3mにも及ぶ弦を、たった1㎝の可動域でコントロールしているとは…。

もちろん、弦が長ければ長いほどより豊かな音は得られます。じゃあ10mならいいかと言えば、そうではないけれど。

響板の向き

響板とは、弦の響きを増幅させる働きを持つ木の板です。響板は弦と平行に設置されているので、アップライトでは奥にらグランドでは下に設置されています。

響板は非常に薄く、ベニヤ板くらいの厚さです。極端な気温の変化や湿度の変化を与えると、割れます。響板が割れるとピアノ生命としてはほとんど終わったようなもの。ピアノが壊れることはほとんどないのですが、この場合に限り、ピアノが壊れたと言えるかもしれません。

また細い棒などで着くと、響板は割れます。気温の変化による木の膨張で木が隆起する場合もありますが、割れる危険性のある状態でしょう。

響く場所

響板の位置によって響く場所も変わります。アップライトではピアノの奥、グランドは響板が上下に解放されているので、下にも上にも響くのです。

アップライトを置くと普通壁際に置くのですが、あまり近すぎると壁を音が伝い、家が楽器になります。意外と忘れがちな防音対策は、天井です。1階ではあまり聞こえないけど、まさかの2階に筒抜けというのは往々にしてあることです。

響板がある奥の壁に響かないようにと布団などを挟んでも、梅雨に湿気を含み、カビが…。

アクション←注目

こちらはアップライトピアノとグランドピアノの1番の違いでしょう。「グランドを買いなさい」という先生は、ある部分を端折って言っているのです。

正式には

「シングルエスケープメントとダブルエスケープメントでは連打できる限界の速さに雲泥の差があるし、打鍵の間隔も全く違うから『グランドを買いなさい』」

ということなのです。

エスケープメントとは、ピアノが発展する上で必須となった機構で、連打を可能にしました。

シングルエスケープメントは、鍵盤をある一定の高さまで上げないと、次の打鍵ができません。しかし、ダブルエスケープメントはほとんど上げなくても、次の打鍵ができるのです。

つまり、より簡単に、速く連打が出来るのがグランドピアノなのです。これは打鍵の感触にも影響を与えるので、やはりアップライトのピアノよりグランドピアノの方が優れていることは認めざるを得ません。

ペダル

アップライトでは真ん中のピアノは弱音ペダルになっていますよね。ハンマーと弦の間にフェルトが挟まり、消音します。私は弾きすぎてこのフェルトをハンマーで突き破りました。

グランドの真ん中のペダルは、今鍵盤を下げている音だけを伸ばすことができます。ドビュッシーの前奏曲集より「沈める寺」や、ラヴェル作曲の「古風なメヌエット」で使われます(名前はソステヌートペダル)。

また左のペダルはソフトペダルと呼ばれ、音を小さくする役割を持ちます。アップライトはハンマーが弦に近くなり、グランドは鍵盤自体が横にずれて、フェルトが柔らかい部分が弦に当たるようになり音が小さくなります。

このソフトペダルを踏む指示は「ウナ・コルダ」ですが、本当の意味は「1本の弦で(奏せ)」といういみなのです。実は、今のグランドピアノは鍵盤が横にずれても2本の弦が当たってしまいます。ウナ・コルダは幻の指示となってしまいました。

(ミケランジェリのピアノはハンマーの端が2本目の弦にあたるようにしていたから、ある意味「ウナ・コルダ」は達成していたかも」

まとめ

アップライトピアノとグランドピアノの違いは、エスケープメントの問題や弦の向き、響板の向き、響く場所の違いなど様々ありました。

それでも1番違うのは値段!今は100万前半円でもグランドピアノが買える時代になりましたから、ぜひ購入を考えてみてくださいね…。

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