【ピアノ脱力】脱力演奏法はウソ?どう力を使うかが問題!

【ピアノ脱力】脱力演奏法はウソ!どう力を使うかが問題! 演奏法
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どうも、 ピアノ部部長、 音大生のこうきです。今回は「脱力演奏法」について解説していきたいと思います。というのも、脱力を「ぐにゃぐにゃにする」と勘違いしている人があまりにも多いのです。脱力とはぐにゃぐにゃにすることでもなく、手首を振り回す演奏法でもありません。腕をくねくねしても、意味がないのですよ。

「脱力演奏法」とは「感覚演奏法」なのです。脱力のウソ、そして感覚演奏法について説明していきます!

目次

ピアノ演奏でいう脱力のウソとは?

脱力演奏法のウソは3つあります。

  1. 力を抜くこと
  2. 脱力したらうまく弾ける
  3. 脱力したら怪我をしない

私の体験談も含め、3つのウソを暴いていこうと思います。

力を抜くこと

脱力と聞くと力を抜くことだと勘違いする人がいますが、力を抜くことではありません、みなさん、肩と首の力を抜いてみてください。これを実行して、どれだけの人が頭を下げたでしょうか?首と肩の力を抜くと首が座らずに、新生児のように垂れてしまうのです。

ピアノを弾くときも同じです。肩から力を抜いてというものなら腕はあがりませんし、指にも力は入りません。手首の力?そもそも手首は関節なので力はもともと入りません。そう、我々は力なしには歩くことも立つことも、起きることすらできないのです。

力を抜くのではなく

無駄な力を抜く

のです。

脱力したらうまく弾ける

脱力したらうまく弾けるのはウソです。だって力が入っている人も上手く弾けますし、しっかり力で支えた方が良い音は鳴るのです。脱力していい音が出るなら、鍵盤を手ではたいて・・・・みてください。良い音は鳴りましたでしょうか?

確かに、無駄な力を抜くことは大切です。しかし、力を抜いてはいけないのです。力を抜いた暁には寝たきり生活が待っています。まぁ、本当のみで力を抜いたら呼吸も出来ないのですが!力は抜かず、無駄な力を抜きましょう。

脱力したら怪我をしない

これもウソです。跳び箱の着地を考えてみましょう。跳び箱を飛んで着地するときは、しっかり膝を曲げて着地しますよね、その際きちんと力が分散され、筋肉への負担を減らします。しかし、脱力するとどうなるでしょうか?勢いが殺されず、そのまま前にすってんころりんと転んでしまいます。

我々がしがちな脱力とは「負担を減らす」のではなく「負担を失くす」ことと同義になっています。指の負担なしにピアノを弾くことはできません。私たちは無意識に立つことが出来ますが、実は太ももなどの体幹(インナーマッスル)に力が入っているのです。

仮に一切の力が入っていないと錯覚してピアノを弾くと、力が入っているのに入っていないと暗示をかけてしまいます。そうするとどんどん力は溜まり。怪我をするのです。力みは敵ではないのです。力みすぎることが敵なのです。

脱力演奏法から感覚演奏法への転換を!

脱力演奏法のウソを暴いていきました。じゃあ、どんな演奏法がよいのか?それは「感覚演奏法」です。これは「脱力演奏法」と対比させた演奏法で、いかに力が入っているかを確かめながら演奏する方法です。

感覚演奏法とは?

筋肉に感覚の焦点を当てること

「脱力演奏法」は筋肉を無いものとみなし、あたかも力は入っていないかのような錯覚を感じる演奏法ですが、「感覚演奏法」は違います。逆に、どれだけ力が入っているかを明確に感じながら演奏する方法なのです。

よく「指の神経」という言葉を使いますが、これはこのことで、指の筋肉の神経を敏感にしろという意味なのです※1。脱力演奏法では感じられない感覚が認知でき、どれだけ跳躍したらよいかや、どのようなタッチで演奏したらよいかが明確に分かるようになります。

感覚が敏感になることで、本番も成功しやすくなります。本来人間は脱力なんかできないので、緊張した時により力みが分かりやすくなります。そんなとき、脱力演奏法をしている人は突然の力みに対処できず…。「緊張して力んでしまう」のはウソです。人間は力むことによって体を動かしているのですから。

※1)もちろん触覚の神経も使うことが、ピアノの演奏には必要です。

常に力は入っていることを認識すること

「脱力演奏法」では、筋肉はないものとして扱われます。しかし、我々は力みなしに生きてはいけないのです。なので、逆にその力みを完璧にコントロールしましょう。無駄な力は排除し、どれだけ力を入れたら良いか、筋肉の感覚を確かめながら演奏しましょう。

手のひらや前腕の下(深指屈筋)、大きい跳躍の際は胸筋や背筋を意識することでより正確な跳躍が可能になります。このように筋肉を無いものとするのではなく、筋肉を完璧にコントロールすることによってのみ、緊張にも耐え得る演奏が可能になるのです。

まとめ

「脱力演奏法」のウソ、「感覚演奏法」への転換を提唱してみました。「脱力演奏法」ではなく「無駄な力を抜く演奏法」だったら完璧なのですがね、筋肉を無いものとして扱うのは脳にも問題があります。

「感覚演奏法」は難しいですが、本番で成功しやすいえんそうほうでもあります。ぜひ筋肉の感覚に敏感になり、弾きたいように弾ける演奏法を確立しましょう!

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