【シューマン】愛に生きたロベルト・シューマンのオススメ曲12選

【シューマン】愛に生きたロベルト・シューマンのオススメ曲12選 シューマン
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どうも、ピアノ部部長、音大生のこうきです。今回は愛に生き、ライン川にて投身自殺を図るも失敗し、2年間の入院の末帰天したロベルト・シューマンのオススメ作品を12曲解説いたします。

シューマンはもともとピアニストになりたかったのですが、指の怪我によりそれを断念せざるを得なくなりました。彼のOp.26くらいまでにピアノ曲が集中しているのはその影響でしょうか。

シューマンの作品はどれも詩的であり堅牢、それでいながらロマンチックな場面を併せ持つ何でも屋さんな作曲家です。対位法的な書法を得意とし、作品中に随時現れます。

目次

アベック変奏曲Op.1

第1曲目の出版にしては出来過ぎな作品。ABEGG(アベック)を音名(ラシ♭ミソソ)に置き換えたものが主題で、それが変奏により展開していく。

中の人の友人
中の人の友人
 

なんでアベッ「グ」じゃないの?

ピアノの先生
ピアノの先生

ドイツ語の単語の最後の硬い子音は濁らなくなるんだよ

(DはTに、GはKなど)

中の人
中の人

「Guten Tag」は日本語で「こんにちは」だけど「グーテン ターク」と発音するんだね

パピヨンOp.2

日本語で「蝶々」。この作品は後のシューマンの作品に影響を与えた作品で、非常に中身の濃い作品となっています。

アレグロOp.8

中の人
中の人

出だしは良いんだけど、後がねぇ…。

中の人の友人
中の人の友人

お前はこの曲の真の姿を知らないだけだ、失せろ。

中の人
中の人

ひ、ひぃぃ…。

出だしこそ派手ですが、あとは地味くさい作品。だと思う方は、きっと聞いた演奏が悪いです。本当はもっと詩的な表現が感じられるはずなんだけど…。

確かに地味に聞こえなくも無いしオススメしたのにこんなこと言うのはあれだけど、ある意味シューマン上級者編の作品かもしれませんね。

謝肉祭〜4つの音符による面白い情景〜Op.9

謝肉祭とはヨーロッパの宮殿などで行われた、収穫祭のようなもの。この作品にこのネーミングが合っているかは、分からない。

1曲目の前口上から祭典の華々しい様子が描写されます。続くは2曲目のピエロ。すっ飛ばして弾く人が多いですが、本来はそんなに速くありません。

この作品は確かに難しく技巧的ですが、本来はそもそもテンポもそこまで速くないのです。コンクールですっ飛ばして弾いてあたかも「やってやったぞ」と言わんばかりの演奏を聴いて、審査員は何を思うのだろうか。

幻想小曲集Op.12より第2番《飛翔》

さてこちらは皆さんおなじみの《飛翔》です。この作品は小学生くらいで弾いてしまうこともあるのですが、音楽史上でもロマン派音楽の特徴を反映させている作品でもあります。

交響的練習曲Op.13

交響的というのは、本当にものすごい響きがするから。エチュードですが、テクニックと音楽を完璧に融合させた名曲でもあります。

シューマンは手が大きく、きっと11度くらいは届いたのでしょう。幅広い跳躍がバンバン飛び、大男でないと掴めないような和音が駆使され、文字通り「交響的」な響きを作り出しています。

ピアノ・ソナタ第3番〜管弦楽のない協奏曲〜Op.14

こちらはピアノ・ソナタ第3番。

中の人の友人
中の人の友人

作品番号が2番より若いけど、それでも第3番で良いの?

中の人
中の人

Op.番号は出版された順番を表しているから、作曲しても出版しなければ番号は後になるんだよ。

ショパンの幻想即興曲は即興曲第4番だけど、実際に作られたのは1番始め。

管弦楽のない協奏曲とは文字通り、ピアノだけで協奏曲を表しているのでしょう。自分でオーケストラのパートも全部弾くわけですから、負担は半端じゃないはず。

ノヴェレッテ第2番Op.21-2

ノヴェレッテとは「小話」を意味しています。ノヴェレッテは作品された時期がバラバラで、全8曲を通ずる何かがある訳でもないので、単品で演奏されることが多いです。

その第2番はエチュード的で、無窮動。威勢の良いリズムでどんどん曲は進められていき、束の間の休憩を挟んだらまた無窮動な動きが続きます。

ピアノ・ソナタ第2番Op.22

のだめでも有名、ソナタ第2番です。オススメはしたものの、曲としての出来はイマイチ。不思議なリズムにあまり練られていない構想、有名だからオススメするけど曲としてはビミョー。

夜曲Op.23

さて、ユモレスクやアラベスク、クライスレリアーナを凌ぐ不認知度を誇る夜曲Op.23をご紹介しましょう。

4つの小品からなるこの作品はまったく不思議な作品で、文献もほとんどありません。どうやら兄の死に際して作られたらしい、1曲1曲に題名がつけられているらしい、というなんとも言えない感じ。

音域も低く同じことを徹底的に繰り返す様は、クララへの偏愛も感じられましょうが、とても心地の良い作品です。

ミルテの花Op.25より第1番《献呈》リスト編

ピアノ部と銘打ってるからにはピアノ版を推させてください。原曲の歌曲もとても良いけど!

中の人
中の人

中の人の友人さま、今回の結婚に際し、1つの花束を用意いたしました。受け取ってくれるかい?

中の人の友人
中の人の友人

てめぇと結婚する気なんぞねぇ。

中の人
中の人

え、えぇ…。

シューマンはクララとの結婚前夜、花束=ミルテの花を献呈したのです。なんともロマンチック!

ちなみにクララはシューマンの死後、かのブラームスに猛烈なアピールを浴びせられます。ブラームスもブラームスだよね〜。

ピアノ協奏曲イ短調Op.54

シューマンの叡智が詰まったこの作品は、30分常にサビです。常に聴きどころということは、常につまらないものにする可能性もあるのです。実際、コンクールでは素晴らしい演奏かつまらない演奏にはっきり分かれます。

まとめ

シューマンのオススメ作品はどれも前期に偏ってしまいましたが、前期の作品が聞きやすいのは確かでしょう。《暁の歌》はもう聞きにくくて…。

シューマンはショパンと同い年で、お互い意識し合って活動していました。それでもシューマンはドイツの伝統を守るタイプの演奏家でした(守らなかったのはワーグナー)。

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