【ピアノ練習法】アムランやポリーニが実践した対称的練習法とは?

【ピアノ練習法】アムランやポリーニが実践した対称的練習法とは? 練習法
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どうも、音大生のこうきです。今回はピアノ練習法の1つ「対称的練習法」を解説してみました。この練習法はどの練習法よりも特殊で、ポリーニやアムランが実践していたと言います。発案者はルドルフ・ガンツというピアノ教育者。どのサイトよりも分かりやすく、譜例も多く載せました。ラヴェルの鏡より「蛾」で、説明していますよ!!

目次

対称的練習法とは?

左右対称に指を動かすこと

対称的練習法の1番の特徴は、調性を無視して指な左右対称に動くようにすることです。

ピアノ未経験者曰く「両手で違うことなんてできない!左右一緒に動いちゃう!」と。ここで言う「左右一緒に動いちゃう」とは、まさに左右対称に動いてしまうことなのです。

下記の楽譜をご覧ください。私たちが想像する「左右一緒に動いちゃう」とは、ハノンのような平行進行を意味します。しかし、よく考えれば左手が1指を弾くとき、右手は5指を弾いています。つまり、左右対称ではないのです。

左右対称というのは下記の楽譜のこと。これこそ完璧な左右対称で、右手も左手も、同時に1指を弾いたり4指を弾いたりします。これなら指遣いを書くのも楽チンですね!

両手を均等に鍛えることが可能

対称的練習法は、左右の手の均等を図るためにあります。大半の方は右利きですから、右手の方が発達しています。ピアノ作品も、右手の方が難しいことが多いです。でも、私たちは右手の方が弾けるのでそれに気が付きません。

左右の手に不均等があれば、左右で別の音楽が鳴ってしまいますし、いちいちそれを修正するのもかなり時間がかかります。そこで対称的練習法を実践することによって、左右を均等にしてしまおうという具合。詳しいやり方は「対称的練習法の実践」を読んでね。

この対称的練習法はルドルフ・ガンツというピアノ教育者が発案したもので、アムランやポリーニが実践したと聞きます。アムランとポリーニは言わずと知れたヴィルトゥオーゾですから、この練習が、彼らの実力の一端を担っていると言っても良いでしょう。

…とは言いつつ、この練習を検索してもあまり情報が出てこないのは、あまり日本では浸透していないからなのでしょうか?日本は「指ノ独立!音立タナイ者弾クベカラズ!」って感じの教育でしたからね。

対称的練習法の実践①ハノン

さてさて、対称的練習法の実践に入りましょう。ここでは私が頑張って打ち込んだ楽譜(自分も使いたい)をもとに、対称的練習法を見ていきたいと思います。まず初めはハノンです。

この練習法はあくまで「対称的」なので、鍵盤の中央からスタートします。そしたら、左右はどんどん離れていくか中央に寄るかの2択です。左右同時に上がったり下がったりしたら、対称的ではないですから!

ここでは「レ」が起点

対称的練習法の実践②スケール

ハノンだったらどの音からスタートしても左右対称に出来るのですが、スケールはそうはいきません。なぜなら黒鍵を含むからです。

ホ長調を見てみましょう。左右対称だぁ!といってミの音から左右対称に弾いてみてください。あら不思議、2音目から右手はファ♯、左手はレ♯と、鍵盤の幅が対称ではありません!

音楽的には対称だけど
鍵盤の幅的には全く対称じゃないぜ

ここで言う対称は、完璧な対称なのです。右手が全音進むときは左手も全音、右手が短6度進むときは、左手も短6度進むのです。これを実現するには対称の中心点が必要です。見番の中心点はレとラ♭にあります。

レとラ♭から半音階を対称に弾いてみましょう。あら不思議、左右全く対象になるではありませんか!この対称の中心点を考えて、左右対称を作り出しましょう(対称の仕方はわかるよね…もしあれならコメントしてね)。

つまり、ホ長調の場合はこのような対称になります。右手と左手の調号が大逆転するのが、対称的練習法の面白いところです。

これ弾いてみると、対称なのがよくわかりまっせ

対称的練習法の実践③鏡より「蛾」

ただ闇雲に左右対称にしてはいけない事がわかったところで、超複雑な対称に挑んでみましょう。ラヴェルの鏡より「蛾」で実践してみます。

まず、開始音はラですから、中心点のラ♭から考えると左手はソから始めることにことになります。ほうしたら、あとは音程を辿っていけばかならず対称になります。

半音上のシ♭はファ♯に、ミ♭はシ♭の完全4度上ですから、左手はファ♯の完全4度下のド♯になります。予め左手は調合を逆転(♭4つ→♯4つとか)させておくと楽です。

慣れてくればすぐにできる(はず)ですが、慣れていないうちは楽譜に書くとやりやすいと思います。ま、1回作って覚えてしまえば、書かなくてもわかると思います、多分。

さすがにしんどいこれは

まとめ

ルドルフ・ガンツによる対称的練習法を解説してみましたが、いかがでしたでしょうか?この練習法はかなり上級者向けとも言えるし、初心者向けとも言えます。何はともあれ試してみてください!Probieren Sie bitte!(ドイツ語で「試してみてね!」の意)

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