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どうも、 ピアノ部部長、 音大生のこうきです。今回は奇抜な衣装で知られているユジャ・ワンの演奏を厳選してまとめてみました。

目次
ドビュッシー:アラベスク第1番
ユジャ・ワンが9歳の頃の演奏。今の奇抜な衣装や演奏スタイルとはかけ離れた、端生で、几帳面な演奏を聞くことができます。
テンポは少し速いものの、普通にピアノを弾く9歳の子でも演奏可能な作品を弾いています。皆さんも、ここから頑張ればユジャ・ワンのように、大ピアニストになれるかもしれませんね。
ショパン:エチュードOp.10-4
これは、確か12歳の頃の演奏だと思います。12歳でショパンエチュードをこのように弾くのもすごいですが、このくらいであれば日本にもいそうな感じです。
しかし、驚くべき点は演奏の正確さです。ショパンエチュードとなると難しすぎて弾き飛ばしたり、端折ったりして演奏するものですが、彼女は1音もおろそかにすることなく演奏しています。
ユジャ・ワンは今でもその清潔な演奏を生かしつつ、超難曲に挑んでいます。彼女の演奏はとてもまっすぐで素直で、清潔さに溢れています。
ショパン:バラード第1番Op.23
普通の人なら難曲のショパン作曲:バラード第1番Op.23も、ユジャ・ワンが弾くには簡単なように思えてしまいます。だって、私たちはもっとすごい曲を知っているから…
たまにテクニックだけが先行し、音楽が全く成り立っていない演奏を聴くことがありますが、彼女は違います。テクニックに見合った音楽を形成し、音楽の本質を私たちに教えてくれます。
モーツァルト=ヴォロドス:トルコ行進曲
さて、ここから超難曲にきました。もう誰にも止められませんね!
トルコ行進曲はヴォロドスというピアニストが編曲したものと、ファジル・サイというピアニストが編曲したものがありますが、最近はなんだか混じったような気がします。
ヴォロドスもファジル・サイもテクニカルピアニストの先駆者で、どんな難曲もいとも簡単に弾きこなしてしまいます。
無論、ユジャ・ワンにかかれば朝飯前、余裕の表情で演奏してしまいます。3度のパッセージをどうしてこんな風に笑って弾けるのでしょうか、凡人には理解ができません。
プロコフィエフ:トッカータOp.11
こちらも難曲、プロコフィエフ作曲のトッカータOp.11です。この作品はマルタ・アルゲリッチもアンコールとしてよく弾く作品です。
意外と簡単そうに聞こえるこの作品ですが、聞こえない音が数多にあり、ほとんど和音で構成されているのです。また跳躍が多く、当てるのがとっても大変です。
そんな曲ですら笑って弾いてしまうユジャ・ワンは一体なんなのか…
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの第3楽章
こちらはのだめでお馴染みのペトルーシュカです。ユジャ・ワンの演奏を聴くと、他の演奏が物足りなく感じてしまいます。
冒頭は両手とも4つや5つの音を弾いているのにも関わらず、すべての音を完全に鳴らし切っています。これは指の支えと打鍵のスピード、そして神経が極限まで研ぎ澄まされていないと出来ない技です。
まぁそもそもこのテンポも速すぎてすごーいって感じなんだけど…
(テクニカルピアニストのマルク=アンドレ・アムランはテクニックだけの作品は弾かないと言っているけれど、その中にはこのペトルーシュカと、リスト作曲のハンガリー狂詩曲第6番が入っているらしい)
ルイーズ・グルーディ:Tea for Two(2人でお茶を)
ここで少しお茶でも飲んで休憩しましょう。「二人でお茶を」という作品は、1924年のミュージカルで使われた楽曲です。
クラシックのピアニストはあまりこのようなオペラ音楽やジャズの音楽は演奏しませんが、彼女はそのジンクスを打ち砕いてしまいました。
アンコールにカチャカチャバンバンの超絶技巧の曲を聞いても疲れてしまいますものね。このようなある意味BGMのような演奏も、ユジャ・ワンはやってのけてしまいます。
ビゼー=ホロヴィッツ:カルメン変奏曲
休憩が済んだところで、あと3曲頑張っていきましょう。
20世紀の大ピアニスト「ヴラジーミル・ホロヴィッツ」が編曲したビゼーのカルメン幻想曲。聞けば誰もが知っている作品ですね。
ホロヴィッツも難曲をしてこなせるピアニストでしたが、音楽性に富んだ演奏するピアニストでした。なので、このカルメン変奏曲も、音楽性に溢れた作品に仕上がっています。
最初の弱音からクライマックスの大強音まで一気に走れなくこの作品は、跳躍や3度のパッセージがあまりにも多くとても大変な作品です。
ユジャ・ワンにもなれば、このくらい弾けてしまうのですから恐ろしいばかりです。
ヨハン・シュトラウス2世=シフラ:トリッチ・トラッチ・ポルカ
この辺から人間が弾けないような作品が並んで行きます。ヨハン=シュトラウス2世が作曲したトリッチ・トラッチ・ポルカは、クラリネットで演奏される作品です。
しかし、ピアノの大魔神、ジョルジュ・シフラというピアニストはそれをスーパーウルトラハイパー難曲に仕上げてしまったのです。
まぁまず純粋に音が多すぎるし弾けないし、テンポ速い曲だから遅く弾けないし、まぁ譜読みが大変すぎて5億年くらいかかるので凡人には弾けません。
もはや語彙力のない私を責めるばかりですが、まぁ聞いてみてください。
リムスキー=コルサコフ=シフラ:熊蜂の飛行
言葉などいらない。
番外編
プロコフィエフ:ピアノソナタ第7番より第3楽章
ここではあえて何も言及しません。この作品を熟知している人からすれば、冷や汗を書くことでしょう。
まとめ
ユジャ・ワンの演奏でオススメなのはこちら。シフラ編の作品はもはや人間の弾く作品ではないです。
- ドビュッシー:アラベスク第1番
- ショパン:エチュードOp.10-4
- ショパン:バラード第1番Op.23
- モーツァルト=ヴォロドス:トルコ行進曲
- プロコフィエフ:トッカータOp.11
- ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの第3楽章
- ルイーズ・グルーディ:Tea for Two(2人でお茶を)
- ビゼー=ホロヴィッツ:カルメン変奏曲
- ヨハン・シュトラウス2世=シフラ:トリッチ・トラッチ・ポルカ
- リムスキー=コルサコフ=シフラ:熊蜂の飛行
- (番外編)プロコフィエフ:ピアノソナタ第7番より第3楽章
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